紅のサオと黄金のタマを巡る冒険 ~黄金のタマの行方を追え~

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猫という生き物は、犬ほど手も掛からず、
逆に手を掛けられるのをウザがるイメージの生き物だが、
実は結構手がかかる。

うちの野良あがりの巨猫は
尿道結石と便秘持ちだ。

この度、そいつが尿道閉塞を起こし
尿道拡張手術で猫チンを改造するハメになった。

通常の奇妙な話とは異なるが、
最近はこの手術が減っているとの事なので
「稀な話」
として、世界の猫飼いさんの参考になればと
あらましをまとめている。

疑惑の股間

主治医に
「チ●コ変形してるわ」
と、唐突に宣告された私と猫。

猫はどう思っていたかは知らないが、
私はこの事に少々心当たりがある。

実は、うちの猫には、
停留睾丸、もしくは
半陰陽の疑惑
ず~っとつきまとっているのだ。

と、いうのも・・・コイツは
保護した当初からタマがねぇ。

元々コイツは、生後2~3カ月の頃に
やはり野良猫だった母親が餌やりさんの所へ連れてきて、
そのまま置いて行った猫である。

そこから考えるとコイツは完全なる野良猫であり、
餌やりさんも私の所へ保護を訴えて連れてくるまで
ずっと「雌」だと思っていた。

つまり私より長くコイツを知っている餌やりさんも
一度もコイツのタマを見た事がないって事だ。

誰かが去勢をした事も考えられるが、
当時、あの界隈で野良猫をふん捕まえて
実費で避妊・去勢をするなんて
酔狂な事をしているのは私しかいなかった。

大体、太る前からかなり体格のいい、
オマケにその餌やりさんにしか懐いてなかった
巨猫を捕まえるなんて一体誰が出来るんだ?

そうして考えると
通常、体外にプラリと下がって然るべきタマが
腹部に残る停留睾丸。
もしくは、半陰陽的なものと
考えるのが妥当といえば妥当だ。

どちらも猫には稀だが、可能性として0ではない。
そしてタマがそんな調子なので、
サオだってどうだか分かったもんではない。

更に最初に尿道閉塞を治療してもらった病院で
ちょっと気になる話を聞いた事がある。

それは・・・・

「チ●コね、あるにはあるんだけど・・・
ちょっと小さいんだよね

体格だけならその辺のボスになっても
不思議じゃない風貌なのに粗チン

醤油とソースを煮詰めたような濃い顔立ちで、
常日頃から私に「猫界の阿部寛」と言われているのに
粗チン。

主「・・・・まぁいつから奇形になっているかは謎だし、
奇形でもカテーテル通れば問題ないから、
誰も気にしてなかった可能性はあるよね」

主治医曰く、チ●コが後天的に変形する要因としては
あまりにも頻繁にカテーテル治療をしたり、
あとは猫が気にしすぎて舐め続けた結果
というのもあるらしい。

私「いや、カテは多分最初と2~3年前の2度しかないはずっす」
主「じゃあ膀胱炎が多発した時、気にして舐め過ぎたかだね。
いずれにしてもカテで外からのアプローチが無理なら外科的にやるしかない

それはつまり・・・

主「切ります(`・ω・´)ノ」

・・・・そうなるよな(;・∀・)

しかし、今からいきなり・・・というのはあまりにも急なので、
まずは膀胱から直接尿を抜き、
一晩投薬で尿道を拡張し、様子を見る事とあいなった。

猫チン改造手術と黄金のタマ撤去

翌朝まで様子を見たものの・・・結局尿は出ることはなく、
開院を待って再び病院へ。

主「出ませんか」
私「出ませんのぅ」
主「仕方がない。昨日の話通りやりますか」

猫の手術となると、一番最初に心配するのは
麻酔のリスクである。
巨猫は推定13歳。リスクはそこそこ高い年齢だ。

ただ、幸いなことに、この日は
もう一人麻酔が専門というか、
麻酔に精通している獣医の勤務日

巨猫の奴、私に負けず劣らず土壇場の運が強い。

噛まずに読めない手術名

で、麻酔のリスク説明もそうなんだが、
とりあえずメインの尿道拡張手術の説明を
してもらうだが・・・

主「あ、柴猫さん生々しい写真とか
・・・平気ですよね(バサササ・・・)」

と、目の前に非常に生々しいというか
「これ、プロ向けやんな?」
という術式について
写真入りで説明してある資料が出て来た。
(‟平気ですよね”までの間が0.1秒ない)

主「今回の手術は・・・つつじょうほうねんまくべんを使って、
会陰にょろう・・・ぐふっ・・駄目だ、噛まずに言えない

私「え?えぇと、つつじょうほうねんまくべん
~にょうどうろうろうろうろうじゅちゅ
・・・・あ、コレ、無理だ。噛まずに読めねぇ

中年女、2人撃沈。

主「名前は読めませんが、術式はちゃんと習得済みです」
私「えぇ、噛まずに言えなくても手術できればOKです。
名前なんてただの記号よ」
※注意:2人とも真剣に会話してます。

噛まずに読み上げられずとも、
文字を見れば意味は分かる。
漢字の国の人だもの☆

そんなわけで、この手術は
「筒状包皮粘膜弁を利用した会陰尿道ろう造ろう術」
というそうな。

とりあえず、やる事としては
通常雌よりも長くて細い雄の尿道を
雌と同じくらいの長さ、
太さに改造する手術

※こちらで写真入りの説明が見られます。
ただ、少し痛々しいので苦手な方はお避け下さい。
東岸和田動物病院HP

この手術は以前からあるようなのだが、
単純に切って繋ぐではなく、
筒状包皮粘膜弁を再利用するという部分が最新で、
こちらのほうが術後の合併症などが出にくいそうな。

主「最近は処方食の質が良くなって、滅多にしない手術かな?
回数として年1~2回って所」

へ~、そうなんだ。
しかし、この説明を聞く限り・・・

私「つまり・・・性器は絡まないものの
人間の性転換手術みたいなことをするって事でOK?」

主「わ~ハッキリ言っちゃったよ(;・∀・)
でもイメージとしてはそれでOKです。
術後、48時間は尿道がふさがらないようにカテも入れるしね」

・・・穴を作るという事については、
猫も人もあまり変わらんらしい。

黄金のタマの行方を追え

主「ところで、タマどうしましょうね?」

尿道拡張についての説明の後、
主治医がそう切り出した。

主「話によれば腹の中にタマがある可能性もあるんだけれど、
知っての通り、今後腫瘍化するリスクもあるわけよ。
どうせ麻酔掛けるし・・・一緒に取る?取れるよ

これは他所の病院でも聞いているのだが、
通常外にブランとしているタマが体内にある場合、
後々精巣腫瘍を発症するリスクが高まる。
(体温で温められるので)

ただ、その時の説明では
「何処にあるか分からんから、わざわざ探すのもね」
って事で、摘出をボツったんだ。

私「~って事だったんだけど、探すん?」
主「いや、普通に考えたらある場所決まってるから
そんなに探す必要もないよ、取れる。
それに年齢的にこれが最後のチャンスかも」

そう、そうだよなぁ。
麻酔リスクも年齢と共に上がるわけだし、
どうせ麻酔掛けるならもう一緒だよな?

私「じゃあ、一緒に取って下さい!!
あ、摘出したら見せて下さい!!

主「言うと思ったわ~、絶対見たがると思ったわ~(;・∀・)
まぁ執刀は私だから、何か取り出したら寄せておきます」

と、いう事で、その日の午後から
先生2人がタッグを組んで手術をして下さることに。

主治医が私を信頼してくれているのと同様に
私もまた主治医および麻酔担当医を信頼している。

が、万が一に備え、
その日はすぐに駆け付けられるよう
そのまま自宅待機。

時刻は16時すぎ。
そろそろ手術が終わるだろうと思っていると
着信。
当然の事ながら主治医。

主「あ~尿道の手術、無事に終わりました。
だけど、タマがね・・・・

・・・やっぱりタマないっぽい

え?

ここから先は、うろ覚えというよりも
そもそも生殖器の仕組みを詳しく知らないと
聞いても分からん話な気がするんだが・・・
(一般人で生殖器周辺の仕組みを詳しく知ってる人
なんているんかいな?)

どうも尿道の手術の時点で
本来ならその先に睾丸が付いているよっていう筋
(前立腺の事か?)が異常に細くなっているのが分かり、
その先に睾丸が見当たらない感じらしい。

主「自然にこうなったとは考えにくいから、
ここへきて、また誰かが去勢した可能性が浮上したんよ。
もしくはあるとしても鼠径部か腹部の何処かに埋まってる可能性
なんだけれど、そうするとやっぱ肉の中から探さないといけなくなる。
正直、自分の猫なら開けないんだけど、どうする?」

・・・・・・・・

・・・・・・・・

私「あ、もうタマはいいです(;・∀・)

主「了解。ではこのままお腹開けずに麻酔覚ましますんで。
19時くらいなら意識しっかりしていると思うので、
面会するならその頃どうぞ」

チョィィンと携帯を切り、
目の前に開かれたGoogle先生に
思いつく限りのキーワードを打ち込んでみたが、
やはりネットだと猫の生殖器や睾丸について
私が望むほど詳しく説明は出てこない。

※停留睾丸については、こちらで分かりやすく書かれています。
獣医師が書くブログ犬猫の去勢避妊
これによると「性ホルモン測定」という方法もあるみたいだけど、
何しろ手術中だしね。

ひとまず分かったのは
これで巨猫のタマの行方は永遠に謎になった
という事だけである。

ATフィールド全開(別名・賢者モード)

その後、19時を待って病院へ。

私「で、大人しくしてますか?」
という私の声にビミョーな顔で主治医が答える。

主「大人しいっちゃ大人しいんだけど(苦笑)」

んん?

病院奥の入院患獣のケージの並ぶ部屋に入ると、
確かにそこには非常に見慣れた猫の姿がある。

術後の巨猫は・・・・
壁を向いて座り込んでいた。

こ、これは、伝説の・・・賢者モード!!(爆)

かつて、
‟元・飼い猫の霊が3匹も我が物顔で家を闊歩する”
という珍事が起こった際、
混乱した二代目が現実逃避のためにやってた
「見にゃい、聞かにゃい、言わにゃい」
の最強自閉モード!!

主「麻酔覚めてから、ずっとこの調子(;・∀・)」

でしょうな。
まぁ傷の為にはむしろこれでいいっすよね

猫が賢者モードなので、そのまま手術の説明を聞いたのだが、
ここについては、最初の打ち合わせ通りで問題なし。

ただ、チンを切開したら、
尿道の壁にビッチリ粉状の結石(シュウ酸カルシウム)が
食い込む勢いで付着し、
尿道がかなり狭くなっていたようだ。

そうして考えると、年齢的にも体力的にも
手術に踏み切る丁度いいタイミングだった。

写真にも写っている尻から出ている管が、
術後48時間は入れておかねばならないというカテーテルで、
既にその先から順調に尿が出ている。

主「で、これがタマの代りに取り出したものです」

と、うやうやしさの欠片もなく
普通に主治医が持ってきたのが・・・どうみても
肉の筋
みたいなものだった。
いや、本当に鶏肉とかについている筋だった(爆)

※やっぱりこれが前立腺なのか?
これについては腹を開けなくても取り出せたらしい。

主「通常はもっと太いんだけれど、なにがしかの原因で
これだけ細くなっとります。
こうなる要因としては去勢とか後天的なものもあるけれど、
もちろん先天的な要因も0ではない

先生曰く、ゴールデンレトリバーの停留睾丸の摘出手術の際、
タマのあるべき場所にタマらしいものがなく、
何かよく分からんゴマ粒状のものがあって、
検査に回したら結局睾丸だったって事もあったらしい。

主「まぁ調べる方法はなくもないけど、
とりあえずチ●コはもうないしなぁ」
私「そうっすね。タマがどうとか言う前に
チ●コが丸ごとなくなったしね」

・・・・・・笑

笑いごとではないのだが、
もはや笑うしかない。
つーか、笑わなければやってられん。

さて、賢者モードに入っている猫だが、
こうなってしまうと私が呼びかけても
絶対にこっちを向いてはくれない。

しょうがないので、スマホの自撮りモードを使って
顔を覗き込んでみた。

動画でも分かる通り、
鼻にカテーテルが入っているが、
これは巨猫の性格と体格的なものを考慮した
食事用のカテーテルである。

巨猫のような肥満体の猫がなにがしかの理由で
突然絶食すると今度は
「肝リピドーシス」
というものを発症するので
その予防策である。

(肝リピは非常に面倒臭いです。
治療に1か月近く掛かります)

主「まぁ多分この人(もやは人)性格的に
院内ではご飯食べなさそうだから、
様子見て流動食入れますんで」

・・・面倒くさい猫ですいません(;´Д`)

猫チン改造手術の抜糸までをレポ

という事で、この後しばらく入院となったのだが、
せっかくなのでこの話は
巨猫の抜糸まで書こうと思う。

猫は犬より手軽に飼えると言われているが、
私としては結局
「手軽に飼えるもの」
なんてひとつもないと思ってる。

どんな生物でも真剣に向き合い
責任を持って最期まで面倒を見ようと思えば、
非常に面倒臭い。

ただ、面倒臭いから面白いのだ。

さて次回は、術後→抜糸までの1週間。
似たような症状で、
手術を考えている人にはこの後も参考にして頂けたら幸いである。

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