知らぬ間に人生を対価にされた男の話

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私は基本、おいそれと願掛けをしない。

まかりなりにも神と名の付くものに
己の欲望をぶつけるのは如何なものか?
という事もあるし、そもそも
「世の中にタダのものは一つもない」
と思っているからだ。

世の中、タダで手に入るものは一つもない。
それは相手が神であってもだ。

拝み屋の義弟は拝み屋

うちのダンナには妹が2人いるんだが、
そのうちの1人のダンナさん
つまり、ダンナの義弟は拝み屋である。

かつて、Vシネ的人生を送っていたダンナだが、
この義弟の修行に面白半分でくっついて歩くうちに
どうやら本人以上にお神に見込まれてしまい
今に至るというのである。

とはいえ、ある日突然覚醒した!というわけではなく、
元々の素養はあった。

子供の頃、火の玉を虫取り網で捕まえようとした事があったり、
先祖に高僧がいたりするからね。

※持って生まれた素養なので占い的な話でいくと、
算命学的に言う所の暗号異常干支に
該当するみたいなんだよね。
ちなみに私は、ただの異常干支なので変人枠だ。

「最初は
‟拝み屋なんぞ身内に1人で十分だろ?”

って抵抗したんだよ」

というのは、常々ダンナがのたまっている事である。

うちのダンナはさておいて、
この義弟が拝み屋道に入るいきさつが
中々オモシロ理不尽である。

祖母さんのとんでもない願掛け

私は義弟さんとは面識がないため、
あくまでダンナから聞いた話である。

今は霊能者として暮らしている彼は、
別に初めからそうだったわけではない。

更に言えば、特に霊能者の家系とかそうゆうわけでもないらしい。
が、祖母さんは、とても信心深い人だったという。

その祖母さんは、体の弱い孫のため
毎日どこぞに参って祈願をかけていたそうだ。

しかし、何処にどのような祈願をしていたか
家族は詳しく知らなかった。

そして、月日は流れる。

当時の義弟さんは、すでに成人し、
ダンナ妹と結婚して‟ダンナ義弟”というポストに収まり、
子供の頃病弱だった体は健康体になり
何処までも普通の社会人(運送)をしていたという。

祖母さんが信心深かったから彼もそうかと言えばそうではなく、
神仏とは全くもって無縁の暮らしをしていた。
幽霊等々の怪奇現象も含めてだ。

が、ある時、
突然金縛りを始めとする怪奇現象と
体調不良に見舞われ始めた。

これが義弟さんだけなら「疲れているんでしょ?」
で済む話だが、
嫁のダンナ妹まで調子がおかしくなってきたという。

金縛りはさておいて、数々の体調不良は
幾つか病院を回ったが原因は分からずじまい。

そして、その話をたまたま人にしたら、
とりあえず体調不良は針医者を紹介してやろうという事になり、
その針医者に行ったそうな。

で、この針医者というのが、ちょっと霊感のある人で
施術をする前に「おや?」と思ったんだと。

更にそこからその人の知る霊能者(どうも針医者の師匠)の所へ
話が繋がり、霊視してもらったそうだ。

そして言われたのが
「あんたの祖母さん、あんたのために願掛けをしたんだけど、
その内容が

“この子が無事に成人したら
神仏の手助けをさせますから

どうか生かしてください”

って事なのよ。
もう、その道に進む年齢なのにあんたが全然来ないから、
向こうが呼んでいるのよ」

という事だった。

んで、その霊能者さんというのは、
高●山の方と知り合いだそうで、
紹介をしてもらって在家のまま修行に入ったという。

で、修行したら治ったんだって、諸々が。

そんで現在に至るという訳。

因果は続くよ、何処までも

この話を聞いた時、
確かにそれは義弟祖母さんの優しさだったんだろうが、

「ヒデェ話だ(;・∀・)」

と思った。

幾ら命が掛かっているとはいえ、
本人の意思を確認もせずに
そんな事を願ってしまうなんて
普通に考えたらとんでもなく理不尽な話だ。

だが、ひょっとしたらなんだけれど、
最初は祖母さん、そんなつもりなかったんじゃないかな?
って思ったりもする。

時々な
「何でこんな事が思いつくかな?」
って事がペロッと出てくるって
あるんだよなぁ。
特に神仏の前ではな。

例をあげると、
前に市内の神社に参拝に行った時なんだが、
普段は拝殿で手を合わせる時
「本日はありがとうございます」
とか、挨拶くらいしかしないわけ。

それなのにその時は、何故だか
「何かありましたら、どうぞお呼び下さい」
とペロペロ続く。

自分でもあれ?って思うんだけれど、
何故か止められない。

一回だけならまだしも「おや?」と思い、
何度最初から言い直し(思い直し)ても
やっぱり同じようにしかならないんだ。

3~4回繰り返して最終的には
“あぁそう言わねばならぬ何かがあるんだろう”
と諦めたけれど。
むしろ諦めないと拝殿を離れられなかったんだよ。

ひょっとしたら、祖母さんも
そんな感じだったんじゃないだろうか?

先に言った通り、私は義弟さんを直接知らないから
その事について本人がどう思っているか、
元々の素養があったかどうかという
詳細は知らないけれどね。

結果的に霊能者になる人って、
最初は別にそんなつもりはなく
流されるままに修行を始める人が多いんだけれど、

本当に見込まれちゃった人は、
宣伝なんてしなくても自然に人が集まってくるんだよ。

※あくまで自然に集まるのであって、
人の問題に何でもかんでも首ツッコむ奴は論外。

 

完全な外野としてこの話を聞いていて
ふと思った事がある。

結局、義弟さんが拝み屋になった事で、
それはそのまま
ダンナが拝み屋になるきっかけに繋がっている。

※義弟さんの師匠的な人がダンナを見て
「お不動さん、兄やんにもやれっていってはるよ。
兄やんのほうが力強いんやて」
と言っていたそうな。
現役●●●捕まえてそんな事をのたまうとは、
さすがはお不動さんである。

この一連の事を“ただの偶然”として見てしまってもいいが、
もしそうではないのなら・・・・

人生にはこのような細く長く続く伏線が
ブラフを含めて一体どれだけあるのだろう?

と思ってしまうのだ。

この世の出来事の全てに意味を考えて行うのは
面倒極まりないし、馬鹿馬鹿しいが、
たまにはそうゆうものがあると思って
世界を見てみるのもまた一興である。

注意点

この話は、あくまでも義弟さんの場合の話。

原因が心霊の類だと思われる凶事に遭遇した人が
もれなく霊能者になれるとか、
ならないといけないって話じゃない。

もしそうなら、世の中は霊能者で溢れてしまう。
まぁ実際、今はスピリチュアル業界なんざ
玉石混交で飽和状態だけれどね。

時々うちにも
「私には~ってあって、これは使命なんですかね?」
っていう人がメールとか寄こすんだけどさ。

とりあえず20年以上、拝み屋の嫁をしている私が言える事は、
この仕事は確かにこれはこれで必要な仕事ではあるが、
皆が考えるほど楽な仕事でも儲かる仕事でもないって事。

っていうか、人の使命って別に特別な事なんてなんもない。

普通に暮らしてゲラゲラ笑って、
つつがなく幸せに生きることが
もっとも崇高な使命

だと私は思うけれどな。

もっともこれはあくまで私個人の見解だ。
「俺は新世界の神だ!!」
って叫びたい人はどうぞご自由に。

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