何故、怪異は仏前座布団に座りたがるのか? ~其の壱~

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うちの実家は出る家だ

というのが前回の話
まぁ一番多いのは‟空耳を通り越した足音”ではあるが、
‟出る”というだけの事もあって、勿論‟姿を見る事”もある。

が、裏の狐の言う通り、世に言う‟通り道”であったとしても、
一般的な‟霊道”とは違うのか、あんまり凄いものは出ない。

どのレベルまでが凄いものかはさておき、
落武者は出ない。(地域的にそんなもんいない)
血塗れのババアも出ない。(つーか他所でも見た事ねぇ)
貞子的なヤツも阿部サダヲも出ない。
(その前に貞子薄型液晶テレビから出てこれんのか?)

とりあえず普通の奴が出る。
そしてご丁寧な事に誰でも見てしまうポイントが決まっている。

それが、玄関横にある和室だ。

和室と仏壇と仏前座布団

うちの実家には2室だけ和室がある。

玄関を入って左手、方角的にいえば家の南西と西の部屋が和室だ。

どちらも6~8畳って所かな?
普段は真ん中の襖を開け放って、2室をつなげた状態にしてある。
南西の部屋には縁側と小さいながらも床の間があり、
床の間には何故か木刀が飾られている(笑)

そしてその隣の西の和室は仏間だ。
特に豪華でもない普通の仏壇があり、その上に神棚がある。
その神棚も特別なものではない。

一般的な神棚で、確かに稲荷の置物がチョコンといるが、
この近辺の家の神棚でこれくらいはデフォだ。

この辺りは元々林業と田んぼで食うのが基本で、
稲荷は五穀豊穣のお神だからな。
‟脱・百姓”をしても名残として何処にでもあるんよ。

他にも何もない所に水を置いているが、それは龍神さんの水だ。
そして何故か牛の置物にも水をやっているが、
これも多分百姓の名残だろう。

この一見何の変哲もない仏間が
‟我が家で一番見えるポイント”
なのだ。

しかも、更にピンポイントで、
仏壇の前に敷かれた座布団の上に座っている奴が見える
のである。

何故かここだけは妙にハッキリクッキリと見える。
あたかも普通にそこに誰かいるように見えるのだ。

その当然の如く座っている様子のせいもあり、
見た瞬間は怪異だとは気付かない。

普通に客だと思って、後から家族に「誰ぞ来てたのか?」と
聞くと「否」と言われ、‟あぁ、またか”と思うのだ。

そんな訳で、ここに座るものはとりあえず人型であり、
流血していなくて一見生身の人間と変わらない奴が座る。

大体は、全く知らない人が座っていて、それ故にすぐに忘れてしまうが、
ただ一度、非常に良く知っている人が座っていた事があり、
その事を私は今でも忘れられない。

水色のカーディガン

あれは私がまだ小学校の高学年の頃だったか。

ある時弟と遊びに出掛けて、やっぱり一緒に帰ってきた。
その日も特に何もない一日だったと思う。

先に書いた通り玄関の横に和室はあり、
普段は廊下に通じる襖も開け放たれている。
つまり、玄関から入ると仏壇が丸見えなんだ。

2人でいつもの調子で玄関に入り、何気なく仏壇を見た。
そこにとても見覚えのある人が座っている。

水色のカーディガンを羽織った、ほっそりとした肩。
そしてその肩につくくらいのウェーブヘア。
玄関からだと斜め後ろになるので顔は見えないが、
もうこの条件で分かるほど、私はその人を知っていた。

近所の〇〇くんのお母さんである。

でも、あれ?おかしいな・・・・
〇〇くんのお母さんって

・・・・もう亡くなっているんだけど?

はっとして隣の弟を見た。
弟は仏壇を凝視したまま固まっている。

こうゆう時咄嗟に出る言葉や行動というのは、
いつも自分で何故そうしたのか分からんのだが、
確かこの時はすぐに弟の肩を力いっぱい叩いたと思った。

我に返った弟は、一拍遅れて泣きそうな顔になっていた。

私「お前・・・見たか?」
弟「・・・・見た・・・姉さんあれ、〇〇くんの・・・・」
私「あ~~あれ、〇〇くんのお母さん・・・だよなぁ」

〇〇くんのお母さんというか、そもそも〇〇くん一家は、
その界隈でも比較的最近越してきた人だ。

〇〇くんは弟より大分年が下だったけど、
その界隈は子供が少なかったから、ちょいちょい遊んでいて、
よく家にも遊びに行った。

〇〇くんのお母さんは当時専業主婦で、遊びに行けば必ずいたから、
うちらは良く知っていた。

その時見た水色のカーディガンは、
その人が生前よく着ていたものだったんだ。

本当にいつも着ていたから、お気に入りだったのかもしれない。
綺麗な水色で、袖口と裾にだけアーガイルのような模様が入った、
薄手のカーディガン。

なんでこんなに細かく覚えているかと言うと、
その当時私が好きだった色が水色や緑という色だったし、
そのカーディガンは彼女によく似合っていたんだ。

いつも優しそうに笑っている人だったけど、
ある時自殺しちゃってな。

大人たちから聞いた話によると、
どうも旦那さんの実家と上手く行ってなかったらしい。

確かにどちらかと言うと控えめではあったが、
特別根暗とかコミュ障とか、
そうゆう人ではなかったから、
ちょっと意外だったしショックではあった。

子供の頃はどうしてだろうと思ったが、
別に悩み多き人が皆常に陰鬱な顔をしている訳じゃないし、
どのレベルの悩みが人を死に追い込むかを他人が推し量るのは難しい。
そして余興ではなく、本気でやる奴は、
そんな素振りなど見せずに突然やるのだ。

まぁ、今となっては‟仕方なかった”と言うしかないだろう。
もう30年も前の話だ。

しかし、何でうちの仏間、しかも仏前座布団に座っていたのか・・・
この理由は全く分からん。

余談だが、やはり0感で今も昔も殆ど心霊体験などしない弟は、
数日間仏間のほうを極力見ないようにして暮らしていた。

亡くなった事情も事情だけに、
余程怖かったとみえるが、これも致し方ない。

似たような事は何度かあり、その度に横に私がいたせいもあって、
小さい頃の弟はよく
「姉さんと一緒だと絶対に怖いもの見るから嫌だ」
とギャン泣きしていた・・・・

私のせいかよ?(;・∀・)

※ダンナ曰く、私のせいらしいです。

今も多くの謎が残る仏前座布団

この仏壇の前というか、仏前座布団の上には
確かに様々なモノが座っていたと思う。

が、割と日常茶飯事だったので、これ以外はハッキリ記憶していない。
怪異に限らず、よく行く店で毎回隣に誰が座ってたかなんて覚えてないだろ?
まぁアレに近いよな。
人の記憶ってそんなもんだわ。

例外的に忘れないものって、特徴的であったり、
衝撃的なものがあったりするからなんだよ。

そうゆう意味において、これは結構衝撃的だった。
何しろ亡くなってしばらく経っていたからね。

ただ、不思議と同じ建物の中でも、
ここ以外でこうゆうモノはあまり見ない。

例えば‟廊下に誰かが這いつくばっていた”とか、
‟窓に何かがベッタリと張り付いていた”とか、
そうゆうのはないんだよ。

そしてこの仏前座布団の上も
‟座布団の上で踊っていた”とか
‟逆立ちしていた”とか
そうゆう事は一切ない。

見かけるモノは、何故か皆律儀に正座をしていたように思う。

座るモノが何処まで‟仏前”を意識していたかは知らんが、
確かに仏前座布団に座るとなったら、いきなり胡坐かいたりしないよな。

んで、更にこの‟怪異スポット”と呼ぶべき、
仏前座布団なんだが・・・・
これはうちの家族のみが目撃していると思うだろう?

どっこい、そうではない。

実は、うちの嫁ちゃんも見ているのだ。

次回は、嫁ちゃんが嫁入り前に見た座布団の上に鎮座するものを紹介したい。

まぁこれも・・・本当、場所にマッチはしているが、
何故いたのかよく分からんモンがいたんだけどな(笑)

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