厨二ネームでも真面目に配達しています ~実録・郵便配達戦記~

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4年間、郵便配達をしていたが、
その間、声を大にして言いたい!
と思った事がある。

「郵便屋は何でも知ってるわけじゃない!!」

いや本当、知ってる事だけで、それ以外は何も知らんのだ。

区役所と郵便局は連携してない

私の勤務していた区は、県内屈指の人口密集率だ。
特に県営市営等の巨大集合住宅の件数が酷い。

その多さから「最凶の配達困難区」ということで、
市内の郵便配達員から恐れられている支店らしい。

何しろ、たまたま他の区の配達員に「昔、〇区の配達員だったんw」と
いったら、
「え!あそこは課長が出ても配達が終わらないって有名ですよ!!」
とドン引かれた。

いや、違う。
事実は
部長まで配達に出て、それでも終わらない!だ(爆)

んで、そんな所なので誤配の数も多いんだが、
こう言っちゃなんだが、
その原因の何割かは
「住人が転居届をちゃんと出してくれない」
という事もある。

特にマンションや団地は基本が集合ポストなため、
そのポストに何の情報もなければ住人が入れ替わった事など
配達員も局も知らないのである。

よくそれで「区役所で住所変更したよ!!誤配じゃん!!」とか
「前の住所から郵便が転送されない」
怒ってくる人がいるのだが・・・・

区役所と郵便局は連携してない!!

ついでに言えば、警察とも連携していない!!

だから、どれだけ区役所で住民票を移そうが、
免許所の住所変更をしようが、
郵便局に届けを出してくれないとこちらは知らないのである。

前にそれで、とある一軒家に恐らく奥さんと思われる人の書留を届けに行ったら
旦那さんと思われる人物が出て

「あ、この人、もうここに住んでないから・・・・」

と暗~い顔で言われた。

・・・・・・・・・嫁に逃げられた!!Σ(・□・;)

「え、あ、じゃあ、転居届を・・・・」と言ったら
「じゃあ・・・・多分荷物取りに来ると思うから、その時に渡して説明します
と、更にこの世の終わりのような顔で言われた・・・・・。

普通に仕事をしているだけなのに、
こうゆうしょっぱい場面に多々遭遇する。
それが郵便配達員である(爆)

ここに住むのはどんな人?不思議な宛名続出

郵便局には「配達原簿」というものがある。
配達地域の家ごとの住所、住人名が書かれた名簿だ。

A5サイズ程度で、配達員が‟順立て”(配達順に郵便物を並べる作業)を
する際、それを見ながら作業する。
まぁ見ながらと言っても、毎日の事だから殆ど内容は頭に入っているんだけれどな。
転居などの届け、新築の建物が出来ると原簿も書き変わるという感じだ。

ただ、時折、住人が引っ越したわけでもないのに、
同じ苗字で不思議な宛名の郵便物が届く時がある。

例えば「〇橋ジョンくん」「〇木サクラちゃん」

こうゆうものは大体差出人が動物病院で、
飼っているペット宛の郵便物だ。
(たまに苗字ぬきで「タマ様」とか「ゴン様」という
宛名になっている郵便物もある)

まぁ私は配達先の犬猫の名前や種類はほぼ網羅していたので、
すぐに「〇さん宅のダックス」と分かるが、
原簿にない名前なので、
一応、その家の人に確認してからの配達となる。

しかし、前に「〇島×××」という、
日本人名として、あまり聞かない名前の郵便物があった。

「あの家、何か飼っていたか?」と
聞きに行くと、馴染みのお婆ちゃんが

「あ、孫よ、孫!孫生まれたのよ!!」

・・・・・・人名なのか!!

しかし、そうすると、それはキラキラネームという事になる。

・・・・まぁ、それは個々のお家の事情なので、
私の知った事ではないが。

「日本人でこれは・・・・」
と思いつつ、その孫の名前を配達原簿に入れた。

堕天使でも魔剣士でも配達します

そんな感じで、ある日も順立てをしていたのだが・・・
いつも年賀状を買ってくれたり、
お菓子をくれたり、
ゆうパック商品を買ってくれるお得意さん宅住所に
凄い宛名の郵便物が混じっていた。

そう、宛名を例えるなら

†漆黒の堕天使 ばるむんく†とか
†蒼炎の魔剣士 でぃるむっど†とか

・・・・つまり、厨二病感漂う名前・・・である。

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

これ、戸口で住人に確認しないといけない案件っすよね?
いつもにこやかに対応してくれる
住人のおじさん、おばさんを思い浮かべる。

・・・・家に堕天使とか魔剣士がいるように思えんのだが(笑)

 

そんな訳でその日の配達途中、その家に立ち寄る。

私「あのすいません、お宅に
‟†漆黒の堕天使 ばるむんく†さん”
って、いらっしゃいますか?」

自分で口にしておいてなんだが、
厨二ネームを口頭で読み上げると
凄まじい破壊力がある。

言うほうも顔が引きつるが、聞く方も顔が引きつる。
(色んな意味で)

客「え?‟†漆黒の堕天使 ばるむんく†”

客、しばらく考え込む。
そりゃそうだ、家の中に漆黒の堕天使とか、
魔剣士が居候していたら分かるだろう(笑)

私「え~と、こうゆう名前って主にインターネットの
ハンドルネームで使われている分類なんですが・・・・
ご家族でどなたか、ネットでやり取りされている方
いらっしゃいませんか?」

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

客「・・・・・あ、だ(;´Д`)」

ここの家の配達原簿には
奥さんの名前以外にもう一人女性名がある。
原簿には家族構成は書かれていないので、
名前だけでは性別くらいしか分からない。

あぁ、あの「〇〇子」って‟娘”だったのか・・・

客「な、なんか、最近何かネットでやり取りしているみたいだから、
多分その名前なんじゃないのかな?」
私「あぁ、じゃあやっぱりハンドルネームなんですね」

ハンドルネームが†漆黒の堕天使 ばるむんく†

思わず無言になる二人。

私「・・・ここ、私以外にも配達に来る人いるから・・・
名簿に・・・名前・・・付け足しておきますね・・・・」

客「はい、お、お願いします・・・・」

気まずい、最高に気まずい。

別にこっちは娘さんの秘密を悪意があって晒した訳じゃないのに、
なんか晒したみたいになってるよ!!

でもな、こっちも仕事だからな。

配達原簿に追加される厨二ネーム

対応してくれたお客さんに丁重にお礼を言われたものの、
微妙な気分で帰局後、早速そのお宅の欄に

†漆黒の堕天使 ばるむんく†

という名前を追加した。

原簿に会社名が備考として掛かれているお宅は
珍しくないが、
ハンドルネームまで書かれているお宅は珍しい。

いや、別に厨二ハンネを馬鹿にするわけじゃないが、
リアル世界にあると破壊力ハンパない(;・∀・)

 

ちなみに、後日、私の公休日に配達に出たと思われる班長
(サブカル知識0)に

「なぁ、〇〇さん宅のこの
†漆黒の堕天使 ばるむんく†
って誰?
外国人でも居候してんの?
それとも会社名?」

と聞かれ、再び痛恨の一撃を食らった(爆)

やっぱり宛名はちゃんとしよう

最近はネットもlineもあるので、
情報伝達として手紙が重要視される事はなくなってきている。

が、物理的なものを移動させる手段は
いまだにアナログで、
物質転送装置が開発されるまでは
まだまだこの状況が続くものと思われる。

そう、例えバーチャルなお付き合いであっても
現実世界で何かやり取りをする場合は
郵便屋や宅配業者を介するしかないのである。

で、そうゆう時は、
やっぱり
ちゃんとリアルに合わせたほうがいい
と思うのだ。

いや、いいよ。
所番地が書いてあれば一応届けられるよ?

ただ・・・バーチャルの密かな自分の姿が
このように身内に露見してしまう事もあるので・・・
そこは要注意なのだ。

 

あ、ちなみに、ここのお宅にはその後数回
†漆黒の堕天使 ばるむんく†
さん宛に大型郵便などが届いていた(笑)

そして、娘さんの名前で夏コミや冬コミの通知も届けた。

どうもこの地域の若い人はサブカルが好きなようで、
他にも某〇〇喫茶から定期的にお菓子が届くお家とか、
中身が「アニメポスター」って書かれたゆうパックが届くお家とか、
結構色々あったんだけどな。

(ちなみに途中のキラキラネームっぽい孫の名前は
巨人を駆逐したい彼と同じ名前である)

ネットの世界は確かにバーチャルだ。
だが、画面の向こうにはリアルワールドが広がっている。

それがいつどこでどのような形で交差するかは、
誰にも分らない。

だから・・・あまりバーチャルの世界で盛りすぎるのはどうかと思うのだ。

え?私?私か?
いやいや、盛ってねぇよ、盛ってないぜ?

もし盛るなら
「私は預言者〇〇の生まれ変わりだ~!!」とか
「私こそ新世界の神だ!!」
くらい盛るぜ?

私が日頃、山盛り盛ってるのは、
うちのデブ猫のキャットフードくらいだ(笑)

まぁ盛ってもいいが、とりあえず
郵便局に届けは出してくれ!!

※この時の本当のハンネは「漆黒の堕天使 ばるむんく」ではない。
実はもっと凄い名前だったが、流石に忘れた。
なので、仮に同じ名前のハンネの人がいても無関係なので
気にしないで下さい(笑)

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