猫の変形性関節症について ~巨猫、サプリを飲む~

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今年四月に尿道拡張手術をした巨猫が、
またしてもピンチである。

いや、コイツの場合、
毎日がピンチでパンチでクライマックス
気がする。

結石で便秘の猫、関節をぽきぽき鳴らす

最初に異変に気付いたのは、7月の終わりくらいだったと思う。

巨猫がその巨体を揺らして歩く度に
ポキポキポキと
小さな音が聞こえる。

私はてっきり、巨猫の重さ(8kg)に耐えかねた床が
軋んでいるのかと思った。

が、違った。

耳を澄ませてよく聞けば、
そのポキポキ音は
巨猫自体からするじゃないか。

それに歩き方がややぎこちない。
・・・元々、肉が邪魔するのか微妙に歩き方が不格好なのだが
よくよく見ると、それとは違う感じでぎこちない。

え?なにこれ??

で、調べると、どうやらそれは
「関節炎」が原因で鳴る骨の音らしい。

とはいえ、そこで慌てふためく事はなかった。
巨猫は既に13歳だし、元々変形性関節症があると
獣医に言われていたからだ。

変形性関節症とは?その原因は?

変形性関節症は、老齢の犬や猫が発症する典型的な症状である。

年と共に関節の軟骨がすり減って痛む、
「グルグルグル、グルコサミン」
が必要になるアレだ。

ついでに言えば、巨猫の場合足腰だけではなく、
背骨も変形する「変形性脊椎症」も患っている。

この症状の一番の原因は「加齢」

そもそも骨があるのか怪しい軟体動物の猫であっても、
12歳を超える頃には約90%近く発症しているそうだ。

よく
「最近うちの猫は寝てばかり。
やっぱり年を取ったから色んな事への興味が薄れたのでは?」
という話があるが、
あれは興味うんぬんの前に関節炎が痛くて動かないのだそうな。

その他の原因は「肥満」「遺伝」

「遺伝」については、
代表的な猫種で言えばスコティッシュ・フォールドがよく掛かるらしく、
スコは元々別の関節疾患(膝蓋骨脱臼、股関節異型性など)が多いため
それが引き金となり発症する。

そして「肥満」については、
「デブると足腰の関節が痛い」
という人間の話と同じだ。

骨に限った話ではないが、どんなモノでも
可動部分というのは弱いのである。

さて、うちの巨猫の関節症の原因だが、
恐らく全部だ。

年齢も年齢だし、
体重も体重だ。

幾ら私がBBAでも
13歳で体重8kgのオッサン猫を
「究極のぽっちゃり坊や」
というほどには図々しくない。

コイツを擬人化したら
首から上がジョージ・クルーニーで
首から下は小錦の
70歳近いジジイ
にしかならんのだ。

そして遺伝については確認しようがないが、
コイツの場合、肥満を省いても
猫らしからぬ巨大な骨格から発生する
体重は減らないわけで、
その要因は遺伝としか言いようがない。

※犬も大型犬は肥満じゃなくても関節症になりやすいです。

関節症対策 ~サプリを与えてみた~

関節症は前々からの話で、
便秘もそれが原因じゃないかとも考えられるんだが
結局、だから何か治療しますか?って事になっても
基本的に痛みが強い場合は鎮痛剤。
そしてサプリメントくらいしかないらしい。

最近は動物用の鍼灸もあるが、
巨猫の場合はヘタに病院に連れて行き、
血尿を垂れ流されても困る。

実はうちの猫達の中で巨猫が最も
多種多様なサプリを飲んでいる。

あくまで獣医師の判断の元だが
人間用の市販品サプリなかも飲んでいた経歴がある。
※ネイチャーメイドとか。
獣医師が
「猫には粒が大きい気がするけれど、巨猫ちゃんなら大丈夫」
と素で言い切った。
そして本当に大丈夫だった。

勿論、それだけ病気がちだから仕方がないのだが、
コイツの良い所は
「口に入るものならば、例え薬でも吐かない」
という食い意地である。

歴代の猫達は、投薬は何をどうしても抵抗し
大変苦労したので、
巨猫のコレはもはや才能と言っていい。

食いつき抜群DHC猫サプリ

というわけで、サプリを購入してみた。

今回購入してみたのは、DHCから発売されている
猫用サプリ「かるがるキャット」である。
一緒に便秘対策として「負けないキャット」も購入してみた。

いくら巨猫に薬を飲む才能があるとはいえ、
毎日続けるものだから
「飲みやすさ・飲ませやすさ」
は重要である。

このDHCのサプリは、どちらも粉末で
‟カツオブシ風味”らしい。

届いたサプリを早速開封すると
ふんわりとカツオブシの香りがする。

そして足元に
呼びもしないのに全員集合する獣たち。

どうやら掴みはOKのようだ。

この粉末状のものを体重に応じて与えるのだが、
中に計測用スプーンが付属されていて
使い勝手としてはいい。

※レビューを見るとたまに入っていないものもあるそうなので、
一度付属スプーンを入手したら予備で置いておくのが無難。

巨猫の体重からいくと、
一日スプーン4杯程度が適量のよう。

まず、サプリだけを小皿に乗せて差し出すと
勢いよく舐め始めた・・・が、
あまりにも鼻息が荒いため1/3が吹き飛ぶ(爆)

仕切り直して、
ぬるま湯を足したウェットフードに混ぜ込むと
問題なく綺麗に食べる。

どうやら続けられそうだ。

効果のほどは、とりあえず
ポキポキ音は飲ませ始めて2週間ほどで鳴らなくなった。

大して高いものでもないし、
これで多少動きやすくなるなら・・・と
この時はそう思っていた。

巨猫、べた足で歩く

ポキポキ音はしなくなったものの、
やはり歩き方がおかしい。

どうも後ろ足の踏ん張りがきかないようだし、
そのせいか歩き方が俗にいう「べた足」という
歩き方になっている事が増えた。

知らない人のために説明すると、
犬猫というのは、通常
人に例えるとつま先立ちをする形で歩いている。

あの肉球のあるつま先と膝の間にある‟くの字”は
踵に相当するのだ。

べた足とは、本来浮いているはずの踵をあげずに
べたりとつけるようにして歩く事を言う。

凄く頻度は少ないものの、
巨猫はたまにべた足で歩いていた。

べた足から考えられる病気は・・・・糖尿病。

ありうる、体系的に絶対ありうる!!
とはいえ・・・実は血糖値というのは
緊張やストレスで跳ね上がる時があり・・・
ビビリの巨猫はいつ測っても基本血糖値が高い(;・∀・)

こいつを病院に連れて行って、
果たして正しい血糖値が測れるんだろうか?

あと、思い当たるのは肝炎腎不全だが・・・
相変わらずよく食べているし、
尿の量や飲水量も増えていない。

一体、何がどう悪いんだ・・・・

しかし、その数日後。
フラフラと歩き回る巨猫のフォルムを何気なく上から見た。
今まで何となく‟黒豚風味”だった彼のフォルムに
僅かだが‟くびれ”が出現していた。

デブ猫にくびれがある・・・だと?

で、慌てて病院へ行った。

まさかの体重減少と貧血判定

病院でべた足も含めて説明すると
獣医的にはやはり最初に疑うべきは
糖尿だという。

で、血液検査の前にお決まりの体重を測るのだが・・・・

獣「巨猫が・・・・痩せている・・・だと?」

4月の手術時点で体重8.2kgだったのに、
6.7kgに減っている。

もちろん、早速血液検査と相なったが・・・・
なんと、血糖にも腎臓にも異常がない!

獣・私「じゃあ何で痩せたの?」

二人で首を捻る中、ふと獣医が巨猫の口を見て
獣「あ、なんか貧血兆候がみられるので、
貧血の検査もしていい?」
というのでやってもらった。

そしたら・・・・軽度の貧血が出た。

猫の貧血とは?

猫の貧血・・・人の場合もそうだが、
一言で貧血と言っても様々な原因がある。

その種類をざっと上げれば以下のようなもの。

  1. 失血性貧血
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 溶血性貧血
  4. 腎性貧血
  5. 慢性的な炎症
  6. 骨髄の病気

このうち、まず除外出来るのは1と3。
1はそのまま事故などで出血し、血液の全容量が不足している状態。
3は分かりにくいが、犬猫がタマネギなどを食べて、
赤血球が破壊され、全身へ酸素が行きわたらなくなって起こる貧血。
※稀に自己免疫疾患などで発生する場合もあり。

そして6は、猫で一番有名なのは
「猫白血病ウイルス(FeLV)感染症」
なのだが、うちは一時保護も含めて新入りを入れる時は
この手の伝染する疾患はしっかりチェックしてから入れている。

確かに何度か野良猫に侵入され喧嘩になったことはあるが、
そこで戦っていたのは二代目であり、
巨猫は事態が収拾されるまで
押し入れの中で‟知らぬ存ぜぬ”を決めこんでいたので
感染経路として弱い。

4と5は、4は腎臓に異常なしで消去となり、
可能性として考えるのなら5だ。

尿道は拡張したとはいえ、
シュウ酸カルシウム結石はまだ腹の中にあるっちゃある。
それが膀胱を傷つけ、僅かずつ出血している可能性はある。

獣「でもさ、それだけでこんなに痩せるかな?」

そこだよ、謎なのはそこだって!
確かに4月の術後、しばらくの間食欲が減少していたので
ちょっとは痩せたとは思う。
が、半年で2kg近く痩せるってありか?

と、いうわけで、更に血液を顕微鏡で
見てみることにしたんだが・・・・・

どうやら巨猫の場合、
白血球・赤血球・血小板の全ての量が
満遍なく減っているらしい。

・・・・え?どうゆうこと?

獣「あとね、考えられるのは骨髄系なんだよねぇ」

・・・・・ちょっと待て、
なんか話が明後日の方向に動き出したぞ。

で、この時はすでに時間が時間だったため
一旦帰宅となり、
後日改めてレントゲンから血液検査まで
もう少し詳しくやりましょうという話になった。

新たなる巨猫闘病記

というわけで、うちは猫ブログではないものの
巨猫の闘病記を少しやってみようと思っている。

というのは、これから色々な選択をするために
私も大分情報収集をしてみたのだけれど、
私が欲しい情報があまりなかったからだ。

私が困るという事は、
多分世の中には意外と沢山そうゆう人がいる
という事だと思う。

確かに私は獣医師ではない。
ただの一飼主である。

でも、プロではなく
同じ立ち位置の人の話が聞きたいって事だって
世の中一杯あるじゃないか。

普通に考えたら、
愛猫、愛犬、家族、あるいは自分自身が
病気になって得な事は一つもない。

それを誰かの得に変えるには、
「少しでも情報を共有する事」
だと思う。

普段は「ネタだ、ネタぁぁぁ~!!」
と言っているが、真意はそこだ。

重い選択を迫られた時、
例えどんな僅かなものでも情報が欲しい。
たった一つでもゴミのような情報でも
時にはそれで少し肩の荷が軽くなることもある。

私が書く事で、誰かの重荷が
少しでも軽くなればいいと思う。

それが出来た時、巨猫の闘病生活は
少し有意義で生産性のあるものになるのだと
思うのだ。

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