ありがたみは意外と舞台背景に依存する  ~龍憑き男の嫁~

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うちのダンナには龍が憑いている。

って話を書いたが、ダンナの龍神ネタはもう一つある。
もう一つというか、我が家には結局2匹の龍がいるのだが、
とりあえず今回もダンナに憑いている白龍さんの話をしよう。

龍憑き男、入院す

今から2~3年ほど前、うちのダンナは腸閉塞で緊急入院した。

で、やってきた人の中に馬鹿な事を言っていた奴もいたので、
ハッキリ言っておく。
・・・・霊能者も普通に病気になるからな(笑)

普通に腹も壊せば風邪もひく。
そしてマンションの10階くらいから蹴り落としたら死ぬ。
特に今回の腸閉塞は、その数年前に開腹手術をしているから、
なる時にはなる・・・という病気なのだよ。

だから私は日頃から
「飯食って糞して最終的に死ぬ以上、特別な人間などおらん」
と言っているのだ。

何でもかんでも
「障り(霊障)ですか!」
とかいう奴は勝手に即身仏にでもなるがいい。

ちょこらちょっと人と違うものが見えたりしたから、
自分は特別などとおこがましい。
それはゴルゴタで張りつけにされて、更に復活してから言ってくれ。
その後だったら、いくらでも崇め奉ってやるから。
聖人認定でも超人認定でもして、証に金墨で額に「肉」って書いてやる。

プチ黄泉平坂 その名も「病院」

んで、普通の人でも入院すると大変だが、
ここから先は「修験者の嫁(笑)」ならではの心配事である。

何しろ病院である。
しかも個人の小さな病院ではない。
救急で、総合の病院である。

イザナミとイザナギが黄泉平坂で罵り合ったアレが
リアルタイムで起こっている現場が病院。

毎度、そうゆうデカイ病院に来るたびに思う。
暗い、空気重い、
目視出来る人間の数と肌で感じる気配の数が合わない。

霊感などの特殊なものはなく‟野生の勘”だけが頼りの私でも
「あ~~~」と思う所に
垂直にゲロを吐く勢いのダンナを放り込んだら、
どうなるかは語るまでもないだろう。

怪異は“分かってくれる人”の所に集まる。
基本、かまってちゃんだからな。

脳内・怪異対策会議

その日も病院に行こうとしていたんだが、
このダンナの怪異対策をモサモサと考えながらバイクを走らせていた。

さてさて、ダンナが元気になるまでどうしよう?
何しろ真言唱えようと口を開けばゲロが出そう、
口を閉じれば鼻からゲロがでそうな状態である。
流石に、あれでは自衛もままならんだろう。
確かに全ての病気が怪異が元ではないものの、
気力が削がれる事があればつけ込まれ、更に気力と体力は消耗する。

とはいえ、凡人の私が出来る事など・・・
いや、私でも出来る怪異祓いがあるじゃないか。

「他力本願!!(爆)」

いやいやいや、他力本願といえばそうだが、
いずこかのお遣いさんにお力をお借りしようって事だ。

私は0感だが、やっぱり相性の良し悪し、縁の強弱はある。
相性が良かったり、縁が強い社のお遣いさんは、
困った時に話を聞いてくれるのさ。
(勿論「金くれ!!」とかは無理。どうしようもない時だけ)

ただ、問題は‟どなたに出張って頂くか”だ。

我が実家をウロウロしている山神付きの狐に出張ってもらうか?
それとも馴染みの神社の入口のあの桜の女史を派遣してもらおうか?
いやいや、それなら近所の稲荷社にいる入口のお使い狐を借りようか?

んで、一番穏やかにやってくれそうな桜の女史には
「あ、私にはそうゆうの無理ですヾノ・∀・`)ムリムリ」
と早々に断られる。
そうだね、あんた多分そこから離れられないよね。

一番頼みやすいのは実家の狐だ。
実家まで行かずとも傍の山神さんから声をかければくるだろうが、
あれ絶対ドヤ顔でくるよな。
仕事はキッチリこなしてくれるが、うっかりしたら前回同様、
こっちが死にそうなほど消耗する羽目になりかねん。

そうすると、後は近所の稲荷か。
兄貴(奥に鎮座しているマッチョボディの狐)にお願いすれば、
間違いなく貸し出ししてくれるよなぁ。
あの人(狐)見た目ゴツいけど、結構面倒見いいんだよなぁ。

・・・いや、でもなぁ、
実家にしろ何にしろ、ダンナ稲荷系あんまり好きじゃないんだよな。

では、あそこの黒龍さん・・・いや、駄目だ。
あれもあそこから動かない系だ、そして遠い。
今他県まで走っていくのちょっと厳しいなぁ。
(八大龍神社の留守番黒龍とは違うやつの話)

さて、どうしたもんか?
あと思い当たる所は・・・とか思いながら病室へ。

救急とはいえ、別にその時は個室ではなく、
4人部屋に入院していたダンナ。

入口から入り、すぐ右手の間仕切りのカーテンをシャーっと開けた所で

・・・・・見てはいけないものを見てしまった。

いや、この時は‟見なきゃいけないから見せられた”のだが・・・
正直「見なきゃよかった」と後から思った。

シュールレアリスム白龍

カーテンを開いた先に広がるのは、定番の病室なんだが・・・・・

その2畳かそこらしかない空間一杯に白龍さんがとぐろを巻いていた。

この光景をどう形容したらいいものか。
別に神社の境内とかじゃないんだよ。
岩屋とかでもないんだよ。
ただの病院の4人部屋のカーテンで仕切られた一角なんだよ。

そこ一杯一杯に、呼び出された神龍のように、
白く輝く龍が鎮座ましましている。

しかも、白龍さんが出てるのドラ〇ンボールじゃないし。
腸液漏れちゃったせいで、震えの止まらない
顔色最悪のダンナだし。

チワワのように小刻みに震えるプレ後期高齢者から出ている・・・・白龍

本当にな、いつもどうゆうリアクションが正しいのかなぁって思うんだ。
スピリチュアル大好き!!な人なら
「なんて神々しい!!」
とか黄色い悲鳴をあげるんだろうが、
見ているのは私である。

「アメノウズメは愛嬌のあるブスで、岩戸の前で踊ったのは絶対‟腹踊り”だ※」
とか言ってしまう人間である。

※萌イラで書かれてるような可愛くて乳のデカイ娘がエロい踊り踊ってたら、
騒ぐどころか沈黙してしまうだろう。手に汗、生唾ゴックンで見入ってしまうだろう。
絶対、チョイデブ、チョイブスの妙に勢いよく脱ぐ女に決まってる。

ありがたみは意外と舞台背景に依存する

正直に言うで?この時に思った事を包み隠さず言うで?

神々しいっていうより、超シュール。

やっぱりさ、神々しいものが神々しく見えるのは、
舞台背景っていうか、そうゆうものがあるからなんだよ。
例えお釈迦様でもスマトラオオコンニャクの上に降臨したらシュールなんだよ。
あと絶対臭い。

これ、きっと護摩壇とかに出てくると凄くカッコいいんだろうな。
事実、白銀の光を放つ白龍さんはそれくらい神々しく、
然るべき場所の然るべきシチュエーションであれば
見るもの全てに五体投地をさせそうな勢いの威厳と美しさであった。

だけど現実は病室である。
しかも狭い。

これも相変わらず自分の幻覚でもいいんだが、
幻覚だとしたら、俺の脳はダリを超えているかもしれない。

しかし、仮にダリの神の画力があったとしても、
これは絶対神々しくならないと思う。
非常に・・・・ガッカリな超現実主義である。

白龍さんの主張

で、なんで普段姿を見せない白龍さんが、
こんな残念シチュエーションであるにも関わらず、
わざわざ出てきているかなんだが、
勿論ギャルのパンティをひねり出すためではない。

基本、私が世に言う所の「高位の怪異」を見る、見せられる理由は、
ぶっちゃけ、自己主張である。

何故その必要があるのかはさておき、
「我、〇〇此処に在り!!」
という意味で皆様この0感女の頭を電波ジャック(笑)をして姿を見せる。

この時の白龍さんもそれに則り、すっかり彼の存在を忘れていた私に
全力で存在をアピールしていたのである。

オマケに0感・鈍感な私がどうあっても勘違いなどしないように、
非常に分かりやすくミッチリと。

まぁ「余計な事すんじゃねぇ」って事なんだけど、
いや見るからに“定員オーバー”感が否めない。

そんな訳で、結局ダンナが入院中は全部白龍さんに丸投げする事にした。

白龍さんの所属

それにしても、前回は横から小さい姿で見ただけだから気付かなかったが、
改めて正面近くから顔を見ると、この顔のタイプ最近何処かで見たな。

他の人はどうか知らんが、私に龍が見える時には各系列ごとに顔が違って見える。
まぁ人間にも人種とか地域性ってのがあるわけで、龍神もそんなもんなんだろう。

んで、ダンナの白龍さんというのは、
その夏に「弾丸ツーリング」で行ったお伊勢さんを
ウロウロしていた白龍集団に顔の系統がよく似ていたんだ。

ただ、それらと違いがあるとすれば、やっぱりダンナの言う通り
格が違うという事だ。

シュールレアリスム的がっかりシチュエーションであったとしても、
そこだけは取り違えようがない。
比較するとかそうゆうレベルではなく、一目でわかる。

境内をウロウロしているのが“平社員”とか“主任”だとしたら、
病室で見たダンナの龍は
“幹部クラス”
なのだ。

とりあえず前に聞いた「本当はもっと大きい」というのはそうなんだろうと思ったね。
実際そのようなフリーダムサイズ龍を見た事があるが、
デカすぎて腹しか見えなかったからな。

最終形態とかはなさそうだが、
全力だと多分スカウター爆発するやつなんだろう。

勿論、この時は一人で「あ~」と思い、
一人で「そうか」と納得して何も言わなかった。
ってか、この後すぐにもう龍とかどうでもいい感じになった。

だってダンナ、結局緊急オペになって、
まな板の鯉さながら、ストレッチャーに乗せられて手術室に運ばれて行ったもの。

その間、私は3時間だか4時間だかず~っと家族用の待合室に座り続け、
腰が痛くなった頃、
身内の義務で切除された小腸を目の前でプランプランされながら説明を聞くことになったから。
(なんというか人の腸も5cm角ほどに切り出されてしまうと、
きっと鍋にぶち込まれてても分からないなって思った・・・
うん、基本こうゆう感想しか出ない奴なんすよ)

数日後。
回復したダンナに上記の話をして、
「~というわけで、あの白龍さんはお伊勢さんの龍だよねぇ?」
と聞いてみた所、その通りなんだそうだ。

ダ「別にさ、見るだけだったら必要なら見れるだろうよ。
でもさ、いずこの龍神さんか言い当てたのはお前も入れて2~3人しかいないぞ」

はぁ、そんなもんかねぇ?
そんなの、たまたま私が伊勢で阿保ほど龍見た後だからだろう?
サイズこそ小さいが、数が多かったからな。
流石にあそこまで見たら、十分に顔の傾向をサンプリング出来る。

ダ「顔のサンプリングって・・・絵描きって、やっぱりよくわからん」

だからいつも言ってるじゃん。
マトモだったら絵描きなんてしてねぇよ!!
ついでに言えば、お前の嫁もしてない!!(爆)

 

で、それ以来、面白いのでたまにダンナの背中辺りをバシバシ叩いて

「白龍さ~ん、白龍さ~ん」

って呼んでみるんだが・・・・
とりあえずダンナが痛がるだけで、白龍さんが出て来た試しはない。

どうしてうちのダンナにそんな立派な龍が憑いているのか、
そして次に白龍さんが自己主張をするのがいつなのか。

どちらも今の所謎である。

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