生霊騒動

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昔から不可解な案件を持ち込まれるのが
私の人生のデフォルトだ。

いや、別に不可解じゃない普通の人生相談も阿保ほどされるのだから、
その中に一つ二つ三つ四つ・・・変な話が混じるのはしょうがないのかもしれない。

しかし、そうして私が関わる事でスンナリ事が運ぶというは、
一体どうゆう事なんだろう?

ブラック企業を泳ぎ渡る20代

まだ私が20代半ばの頃。
その頃はイラストの仕事を貰いつつ、
猫達のためにライスワークをしていた。

いつでも基本ダブルワーク。
絵の仕事がある程度ある時もダブルワーク。

ライスワークの良い所は、安定した収入と
それなりの社会的信用が手に入る所だ。
実家暮らしや扶養枠に入っている者ならいざ知らず、
一人暮らしは何かとこの二つが必要だ。

ただ、ただな・・・
20代の頃入る会社はことごとくブラック企業だった。

その頃のライスワークは金融系の契約社員だったが、
こう言っちゃなんだけどロクな職場ではなかった。

いや、表向き上場企業だったし、
給料は良かった。
が、メンツが最悪である。

20代にして何度も堕胎している奴。
男を追いかけて仕事をサボる奴。
社内不倫は当たり前。

何気なく入ったカフェで、振り向いたら密会中の同僚と上司がいた
・・・・なんてことまであってな(もちろん、W不倫カップル)

会社の入っていたビルはまだ新しく立地的にも
物凄く良かったはずなのに、
そこの部署はいつもドヨ~ンとしていた。

それでも辞めなかったのは、単純に生活が掛かっているからなのと、
どうせ何処に行っても同じだと思っていたからだ。
(そして実際20代の間はそうだったという・・・)

O田という女

そんなメンバーの中に“O田”“M”がいた。
どちらも私より少し年上。

O田は当時彼氏と同棲中。
そしてMは「私は一途な女なの」と言いつつ
・・・追いかける相手はいつも1~2か月で変わっていた。

別に特別親しかったわけではない。
ただ、どうゆう経緯か飲み会の帰りに3人だけで帰る事になった。

ダラダラと喋り、話がなんとなくO田の同棲中の彼氏になった時、突然

O田「助けて!!このままじゃ、あの人も死んじゃうかもしれない!!」

とワンワン泣き始めた。

30才を目前にした女が、いきなり往来で泣き始める姿は異様。
そうじゃなくともO田は背も高く、顔も工藤〇香似で目立つ。

が、動じないぜ、私は。
この程度では動じない!!

昔からこうなのだ。

そんなに親しくない人間が何故か突然
ヘビー級の悩みを
ぶっちゃけて、
目の前で号泣する。

O田は同僚な分だけまだマシ。
酷いと通りすがりの人に人生相談されて、
初対面なのにいきなり泣かれる。

もう何度となく見た光景である。
この頃には、もうそうゆうのにすっかり慣れてしまっていた。

付き合う男が次々と病む女

化粧が落ちるのも人目も気にせず、おいおいと泣くO田を
Mとなだめて話を聞くとこんな塩梅だった。

O田の同棲中の彼氏が急に喘息の発作を起こすようになり、
それがどんどん酷くなる。

勿論、彼氏は昔から喘息持ちなわけではなく、
O田と付き合い始めてから突然始まったそうだ。

が、異様なのは、その前の彼氏もまたO田と付き合い始めて
同じように喘息を発症し、それが元で亡くなっている
更に、その前も同じく。

要約すると、
それまで健康だった人がO田と付き合い始めると
もれなく重度の喘息を発症するという。

別にこれだけだったら普通の話だ。
知らない人は知らないが、
大人になって突然喘息を発症するという例は結構多い。

実際、うちの母は中年以降に喘息を発症したし、
弟は最近でこそマシになったが、元々喘息持ちだ。
今でも風邪など体調が悪いと少し症状がでるらしい。

私は幸い、喘息どころかアレルギーすら見つかっていないが、
家族がこの調子なので喘息・アレルギーは身近な病気だ。
というより身内に喘息患者がいる以上、遺伝的に「明日は我が身」

喘息発症の主な原因はアレルギーのため、
O田の家にアレルゲンでもあったんじゃね?
って考えたら別に不思議ではない。

が、この時だけは別だった。

・・・寒い
O田の話を聞いている最中から寒い。

肌寒いというのではない。
まさに「悪寒が走る」
という背中辺りがゾクゾクする寒さだ。

勿論、本当に寒いわけではない。
それに私は寒くてもあまり震えないタチで、
歯の根が噛み合わず、口が聞けなくなるほど震えるなんざ、
インフルで高熱出すか、
真冬の高速道路をかっ飛ばしてる時くらいだ。

特に寒くもないのにここまで震える時の理由はただ一つ。

怪異絡み

しかもこれ、俺が話聞いたくらいじゃなんともならないヤツだわ。
あかんわ、もう専門家に押し付けよ(爆)

そんなわけで、拝み屋ジジイに丸投げする事とあいなった。

男を盗られた女の恨み

後日、ジジイとO田を引き合わせた。

まぁプライベートなアレコレソレがバンバン出るので私は席を外した。
私は身近な人間の隠し事を聞いて嬉々とするほど詮索好きじゃないからだ。

だから、ここからはジジイとO田の双方の話をまとめたものである。

O田は基本スピ女子ではない。
普段占いにもいかないらしい。

それでも次から次へと本人しか知らない事を言い当てられ、
ぐうの音も出なかったそうだ。
(これはまぁ一種のパフォーマンスでもあるよね)

ジジイに開口一番言われたのが
「あんた、人の男を盗ったね」
だったそうだ。

実際、O田は昔そうゆう略奪愛的な事をしてしまった事があるらしい。
結局その男とはすぐに別れたものの、
それ以降付き合う男がことごとく喘息発作に見舞われるようになったという。

で、どうも、その最初の男を盗られた女の生霊がずっと憑いて回っているらしい。

自分がO田にされたように、
O田に新しい男が出来る度にそうやって邪魔をしているんだそうだ。

生霊については色んな話があるが、
やってる本人は自覚がない
っていうのはジジイもよく言っている。

飛ぶかどうかの差は恨みの重さというより、
本人の性格や体質なんだそうだ。
(霊感とはまた別らしい)

で、自覚がないから、
よっぽどの事がないと離れないんだと。

ジ「生霊が一番面倒くさいねん。
やって出来ん事はないが、それやると金掛かる(ジジイ祈祷料)からな。
まぁ一応少し祓ってお札渡しておいたわ。
後は安く事を片付けたきゃ神さんにお頼みするしかあらへんで。
とりあえず、〇〇さん(市内神社)へ行って、
そこから××さん(三重県神社)へ行っておいでって話はしてある。
・・・・お前、一緒に行ってやんな

は?

ジ「あの子だけじゃよう行けんし、ましてやMとかいうアレ、
アイツがついて行くと尚更たどり着けん。
だから、お前も付いて行きなさい。
まぁ向こうからそうやって言ってくるで」

・・・・マジかよ(-_-;)

確かにその後O田から
「ジジイ先生に行けって言われたけど、
自分一人じゃ行ける気がしないから、柴ちゃん付いてきて!」
と連絡が入った。

別に同行するのは構わん。
構わんのだが・・・
O田をジジイに合わせた時から、我が家ではおかしなことが起こり始めた。

生霊の逆恨み

寒気は話を聞いた日から止まらなかったのだが、
ジジイにO田を合わせて以来、更に酷くなった。

当時は我が家の邪払いの黒猫‟初代”の全盛期だったが、
その初代がずっと変な所を見ていたり、酷いと威嚇しだす。

そして、夜になればラップ音と言って差し支えのない怪音。
(勿論、普段そんな音はしない)
日頃、初代ももう一匹いた先住猫も夜は私と一緒に寝ていたのに、
全く持って一緒に寝ようとしない。

あげくの果てに“何か”が室内をうろついている。

私は皆が言う“金縛り”には合わないタチだが、
その‟うろつくモノ”が、たまに上に乗ってくる。

その度に
「人の安眠妨害してんじゃねぇぞ、クソがぁぁぁ!!」
と‟それ”を怒鳴り飛ばす。

普段ならもうそれで同じヤツは二度と来ないんだが、
‟それ”はそうして怒鳴り飛ばした時の手応えが
明らかに死者とは違うので、
あまり効果がない。

あぁ、なるほど。
これが噂に聞く生霊ってやつか?

しかし、O田からはこうゆう怪現象は聞いていない。
O田自身は0感だし、本人は本当に全く何もないんだそうだ。
(あくまで彼氏だけが被害にあう)

正直、これはしんどい。
本当にしんどい。
寝不足になれば、寒気は増すし、頭はキリキリ。
頭から肩から体の全てが重ダルい。

その重い体を引きずって出社すれば、
O田はなんかスッキリした顔をしている。
あのジジイ、O田と私に何をした?

 

ジ「あ~、俺が護符渡して目くらましかけたからO田さんに近寄れんもんで、
お前の所に行ってるんだわ~。逆恨みされてんのや」

ヨレヨレになってジジイに電話すると、ペロリとそのような事を言われた。

私「は?ちょ?どうゆう因果だ!!私にも目くらまし!」
ジ「お前にはいらんよ。それより、はよ(市内)神社行ってこい、直るから」

なんか・・・トンデモナイ事に首をツッコんでしまった気がする(;・∀・)
そんな訳で、O田を急かして市内にある〇〇さんへとりあえず行く。

〇〇さんは、すげぇ小さい神社なのに、強烈に怖い所である。

まぁ、怖いっていっても畏怖のほうだから問題はないんだが、
実家裏の神社を彷彿とさせる恐ろしさだ。

ちなみにこの時、なぜかMも一緒についてきた。
Mは私とは違い、すぐ人の問題にクビをツッコむ。

先のジジイとの会話にの出ていたが、実はこのM、
O田とジジイが会った時にもついてきて、
O田と一緒に話を聞くと言うのを引っぺがすのに苦労した。

本人は「心配だから」と言っているが、
コイツの親切には、その裏側に違うものが見えるので
正直あまり関わりたくない。

それはさておき、ひとまず市内の〇〇さんへ行ってから上記の怪異は収まった。

とばっちり参拝ドライブで三重へ

それからすぐの週末。
やっぱりO田から「××神社に行くのに付き合って!」と言われて同行した。
ここまで来ると乗りかかった船ではあるが、道中で激しく後悔した。

何しろO田の車はVitzで、彼女は運転がヘタだった!!

オマケに信じられないほど強風の日で、
小さなVitzは風と他の車に煽られまくった(爆)

正直、参拝に行くのにここまでの強風に見舞われた事は今に至るまで一度もない。

それでも無事に目的地へ辿り着き、無事参拝。

あぁそういえば、この神社にはこの時初めてきたし、
ジジイやダンナから中の様子なんて一切聞いていなかったのに、
何の疑問も持たず、真っ直ぐ拝殿まで行って参拝していたな。

当時はあんなに広い敷地の神社に入った経験など殆どなかったのに、
何処でどうすればいいか何故か全部分かっていた。
これも奇妙な話だ。

 

さぁ名古屋に帰ろうと思ったら、Mが
「ついでにうちの実家に行こう!!」

このM、実はお伊勢さんからほど近い滝原の出身で、実家で飯を食おうという。

・・・今なら鈴鹿の××さんから滝原までは、
“ついで”で行く距離ではないとと分かるが、
何しろ当時は三重になんてまず来なかったから距離感がわからねぇ。

Mの「傍だから」って言葉に騙されて滝原を向いて走ったわけよ。
本当、全然傍じゃないんだけどな!!

で、実家についたら
M「ここまで来たからお伊勢さんに行こう!!」

で、お伊勢さんまで行ったが、コイツ地元民で色々知ってるって言う割に
全然知らなくて、知っているのは「おかげ横丁で遊ぶ」という事だけだった。
お蔭で伊勢まで行って、神宮拝まずに帰る羽目になった(;・∀・)

気の毒なのは、元々長距離を走りなれないO田。
伊勢までついた頃にはへとへとで、
駐車場で車擦っちゃって凹む凹む。

帰りの道、私とO田はもう疲れて口を聞く気にもならない。
元気なのは・・・久々に実家に帰ったM一人。

あぁそういえば、Mは勝手についてきて、オマケに実家まで走らせたのに
高速代もガス代も払ってなかった。
今更だが、なんて奴だろう(;・∀・)

まぁえぇ、とりあえず言われた事はやったからえぇ。
そう思って、ジジイに報告しようと鞄から携帯を出してのけ反った。

携帯、壊れてる!!

その日一日ずっとカバンに入れて殆ど使っていなかったのに、
携帯電話の一切合切のデータが吹き飛んでいた。

翌日、ド〇モに持ち込んでみたが原因は不明。
普通に壊れたというより、
勝手にリセットが掛かっただけで携帯自体は何の異常もない。
念のため無料交換とはなったが、再びデータを入力するのに半日要した。

私は18の時からPHSや携帯を使っているが、
こんな壊れ方をしたのは、今の所この時だけである。

電話が復旧した後、ジジイに道中のアレコレと携帯の話をすると
ジ「まぁ最後のとばっちりだな」
と笑っていた。

偶然にしても絶妙なタイミング過ぎて、
今でもスッキリ偶然と言えなさすぎる。

彼女の業

ともあれ、O田のほうはこれで収まったようで、
後日彼氏の事を聞いたら、これ以降発作は出ていないという事だった。

ただ・・・これを機にMに仲良し認定されてしまった私達は、
この後Mのせいで多大なる被害を被る事になる。

実は、これはジジイが言っていた
「ましてやMとかいうアレ、
アイツがついて行くと尚更たどり着けん」
という話に繋がっていくのだが、
Mは周りに厄災をふりまくタチ・・・なのだ。

心霊的なモノなのか、それとも彼女の性格なのか、
Mが絡むと小さな問題が大問題に発展する。

これ以降、私とO田はMの引き起こすトラブルに巻き込まれ、
それは会社を辞めるまで続いた。

会社を辞めてから、もうMともO田とも付き合いはない。
だから、MはともかくO田と彼氏がその後どうなったかは分からない。

ちなみにこの時に行った市内の神社と県外の神社は、
別に生霊払い専門の神がいる神社ではない。

何故、そこの神社を指定したのか改めて聞いてみたら
「その時お伺いを立てて、行けと言われたのがその2社だった」
という事だった。

そして私に「ついて行け」といったのは、O田もしくはO田とMだけでは
途中でなにがしかの妨害が入り、たどり着けないから・・・だそうだ。

何故、私が同行する事でたどり着けるか?だが、
これについては明確な説明はなかったので、
今もって謎である。

まぁただ・・・当時、酷い乗り物酔い持ちだった私が、
あの強風に煽られるVitzに乗っていて酔わなかったのは・・・・
多分、県外の神社の祭神のご神徳だったのだと思う。
(後日、普通にO田のVitzに乗ってゲロゲロになったし・・・)

まぁこうして集結した生霊騒動だが、
ただ一つ、気になる事がある

この後日、改めて直接ジジイに報告をした時、

「あぁ、そうかぁ。ほんならとりあえず“今回”はいいな。
まぁ、あれは懲りないよ。
1つ祓った所で、またすぐ別なのに憑かれるわ

“それがO田という女の性で業である”

とニヤリと笑っていたから。

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