獣医は助けた猫に嫌われているのか?

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一飼い主として、獣医という仕事は
本当に凄い仕事なんだと思う。

人間を診るのでも時に大変だと思うのに
言葉の通じない獣を相手にし、
オマケに飼主である人間までも相手にするのだから、
手間で行けば人の医者の倍な気がする。

(人なら小児科医が近いのかねぇ?泣きわめいてる子供は動物と大差ない)

さて、今回はこの間まで3話連続でお送りした
猫の手術騒動のこぼれ話。
あくまでこぼれ話なので、本編を見てから読むほうが
分かりやすいかもしれない。

本編はこちら。

  1. 紅のサオと黄金のタマを巡る冒険 ~猫チン改造手術~
  2. 紅のサオと黄金のタマを巡る冒険 ~黄金のタマの行方を追え~
  3. 紅のサオと黄金のタマを巡る冒険 ~さらば猫チン~

超絶・ビビリのお墨付き

先日まで入院していた巨猫は、
獣医認定‟ビビり猫”だ。

世の中にビビリ猫は数多くいれど、
うちほどのビビリは少ない・・・と
どの獣医も口にする。

なにしろコイツは、通院のために捕獲されそうになると

‟脱糞しながら逃げる”

という家康的というか、
ナマコ的というか
そうゆう戦法を取っていたのだ。

なので、最近はすっかり「便秘キング」になってしまったが、
数年前までは「脱糞キング」と呼ばれていた。

ちなみに同時に行われる

‟放尿しながら逃げる”

は、尿道閉塞にでもならない限り、
今も通常運行で行われている。
(で、今回はそれがなかったから大騒動になったのさ)

猫捕獲の際に黄金水をぶっかけてくる奴は珍しくない。
私もその洗礼を何度食らった事か。

が、流石に
‟ウンコしながら逃げる”
という奴は少ないらしい。

そんな訳で前の主治医にも
今の主治医にも
「史上最強のビビリ」
という称号を頂いている。

特に最も頻繁に来院している今の病院は、
汚物まみれ
がデフォ。

それを笑いながら診察する主治医には
どれだけ感謝してもしたりない。

術後、診察台の上で放尿したのを見て
「見て!こんな太いおしっこ出るようになったんよ!」
と満足げにしている主治医には
本当に頭が下がるのだが・・・・
その彼女ですら

「もう二度と遭遇したくない」

と顔を引きつらせて言う
巨猫の最強リアクションがある。

巨猫の基本診察姿勢

巨猫は、非常にビビリではあるが、
診察態度は至って大人しい。

いつからそうなったのかは、
彼の身の上に関する話をまとめた
コチラを参考にして頂きたい。
猫という小さな猛獣

とりあえず、キャリーに詰められ
診察台に引き出されるまでは抵抗するのだが、
完全に引き出された後は
まな板の上の鯉だ。

ただフリーズしているだけなら、
そう面白くもないんだが、
コイツの場合、
診察台に同化する勢いで
低く、平たくなって
診察が終わるまでやり過ごす。

どうも本人的には隠れているつもりらしいのだが、
8kgの巨体が隠れられるわけもなく
まぁいつも‟なすがまま”になる。

※巨猫に限らず、猫は頭が隠れると全部隠れたと思うものだそう。
だからよく「頭隠して尻隠さず」の猫が目撃されるというわけ。

そして顔は・・・恐ろしい事に、ほぼ「無」

つまり、例の賢者モード‟壁なしバージョン”で、
目はかっぴらいているのだが、
完全に焦点が合ってない。

猫は日頃から
「本当は何処見てるんだ?」
と思う事が多いんだが、
この時の巨猫は完全に無我の境地にいるのだ。

気持ちは分からないでもないが、
人間サイドとしては、
非常に面白いと思わざるおえない。

獣医が叫ぶ鬼のパンティング事件

まぁ無我の境地に達してたり、
手(肉球)に汗を握る程度なら無問題。

だが、その程度では逃げられないと思ったのか
先日の手術前日の診察と処置の後、
巨猫はとんでもない荒業を繰り出した。

診察後、尿道拡張薬を調合している間、
私達は診察室で待っていた。

その時、床に置いたキャリーから
「ハァァァァ~、ハァァァァッ、ハッハッハッ・・・ゲボォォオ」
という、異様な息づかいと聞き覚えのある音が。

覗き込むと・・・こんな感じになっていた。

あ、めっちゃパンティングしながらゲロ吐いとる(;・∀・)

パンティングというのは、
犬のようにハァハァと口呼吸する事を指す。

通常、猫は鼻呼吸が主でパンティングをしない。
するとしたら、それは余程呼吸が苦しい時などで、
疾患で言えば、肺、心臓疾患、熱中症など。

そして傷みやストレスからパンティングする事もある。

実は巨猫は、ときおり謎のパンティングをする。
その度に病院で検査しているんだが、特に異常はない。

異常があるとしたら、その前後に力み吐きをしているので、
恐らく「便秘による腹痛が原因」という話で収まっていた。
※猫は便秘などで力み過ぎるとゲロを吐く。

でも今回、便秘じゃないんだよなぁ?
え?便秘も?便秘もなの?

いずれにしろ、まだ病院だ。
これは直接パンティングを見てもらういい機会かもしれん。

私「先生~、猫がパンティング始めました~(`・ω・´)ノ
主「なにぃぃ~!!あ、噂の・・・アレか!!

主治医、飛んでくる。
その間も猫ハァハァのゲロゲロ。

主「うぉ!!本当にメッチャパンティングしてるΣ(・ω・ノ)ノ!
何?いっつもコレなん?」
私「いや、普段はここまではやらん。
そしてゲロとパンティングは同時にやらん」

会話の内容はさておき・・・今にして思うと、
もはや中年~初老の女二人が
地面にはいつくばってキャリーを覗き、
猫に向かって「しっかりしろ~」と
声掛けをする姿は、
軽くコントである。

五体投地の勢いで這いつくばる2人

そんなわけで、即診察室へリターン。
一番心配なのは心臓と肺。

即エコーなどで確認したが、
別にどちらも異常なし。

主「今日は大分チ●コ触ったし、エコーかけたし、
最終的に膀胱に針も刺したしな・・・」
私「それってつまり原因は・・・・」

主「ストレス!過度のストレス!!(`・ω・´)ノ
・・・を私達が・・・与えた○| ̄|_

2人で巨猫に「すいませんでした」と謝る(爆)

主「まいったな、まさかここまでビビりとは・・・
あ、鎮静剤打っていい?
またこれもストレスにはなるけど、
流石にこれでは帰せん(;・∀・)」

私「ははは・・・・お願いします(;´Д`)」

まぁこの時は、これで済んだのだが、
術後、主治医が言うには
ストレスでここまでの症状を発する奴は
あんまりいないんだとか。

主「正直、入院中いつアレをやられるかと・・・
凄いドキドキものでしたわ・・・
あれだけは二度と見たくない(;・∀・)」

何度も言っていたので、
獣医的にも相当衝撃映像だったようだ。

まぁ診るほうにしたら「原因がわからん」って
一番怖いかもしれんなぁ。

猫は全身凶器

それでも、主治医的に巨猫は
非常に診察・処置をしやすい猫ではあるらしい。

主「あのパンティングさえ除けば(←重要)
じっとしててくれるから助かるよ。
あの図体で暴れられたら何も出来ん(;・∀・)」

でしょうな。
確かにデブ猫っちゃデブ猫だが、
人で言えば、引きこもり系デブではなく、
引退後の力士系デブである。

私はかつて、コイツが全力で暴れている所を
何度となく見ているが・・・
断言しよう、
並みの人類ではコイツに勝てない!!
※最低でも3人で抑えて1人が処置。

主「同じサイズの犬と猫を比較した場合、
明らかに猫のほうが攻撃力が高いんだよ。
だって、猫は全身凶器だから

‟猫は小さな猛獣”
‟最終兵器猫”
‟リーサルウェポン猫”
‟家庭内テロリスト猫”

私も散々猫に異名をつけているが、
獣医からとうとう出てしまった。

主「爪も牙もあるし、結構力も強いし、
体柔らかいし、飛ぶし
・・・・全身凶器(`・ω・´)ノ

※個人的には、これに「ウンコと黄金水ぶちまける」と付け足したい。

イメージとしては、これか?

「ねこぶそう」画像はバンダイさんからお借りしています。

特に今の猫ブームで「猫」について
癒しとか、フワフワとか、
そうゆう‟いい所だけ”
クローズアップされがちな気がする。

しかし、どんなものも‟100%満足”は存在しない。
猫であっても100%、癒しとフワフワでは出来ていない。

爪も牙も食い込むし、猫ションとうんこは臭い。
それが現実で、猫は一応現実の生き物だ。

「あばたもエクボ」で見るのではない。
悪きところと良きところ、
それを平等に見て
それでも「しかたねぇなぁ」とか
「なんとも離れがたい」と思うから
結局「それが好き」って事なのではないのだろうか?

で、主治医は当然仕事だから、
基本‟荒ぶる一面”としか向き合ってないわけで、
そんでもこの人・・・自宅でMy猫飼ってるんだよなぁ(爆)

そうなのだ。
うちの主治医は、
多分猫の良きも悪きも全部平等に見て
それでも猫が好きな人なのだ。

その気持ちは伝わっている

一口に獣医と言っても、皆が皆
「動物が好きなので獣医になりました」
というわけではないと思う。

いや、実際いるのだ。
人慣れしてない子猫暴れられて
「こんな猫診察できない!!」
と言って診察拒否した獣医が。

(私は事前に「人慣れしてないよ」って説明したんだけどね。
ちゃんと抑えないと噛むよ、逃げるよって。
んで、またその人が某獣医師会のお偉いさんっていうのだから、
もう大草原である)

ただ、前の主治医も今の主治医も
商売抜きで動物が好きな人たちのようで
本当にありがたい事だと思う。

巨猫が退院する時、
主治医は診察台の上で賢者モードの巨猫を撫でながら

主「やっぱり慣れてはくれんかぁ、
嫌な事一杯しちゃったからねぇ」

と、少し寂しそうに言っていた。

これについては、
もう一人の主治医(麻酔担当してくれた巨漢先生)も
前に数回犬の散歩中に会い、
その度に柴子がそっぽを向くものだから
寂しげに言っていたけどなぁ。
(でも、柴子のコレはデフォルトなんだよね。
吠えん代わり愛想もふりまかない犬なんだよ)

確かにいくら治療のためとはいえ、
動物の嫌な事をしているからなぁ。

飼主にとって、獣医は救いの神だけど
動物本人にしてみたら
「こっ、このヒトデナシ!!」
と思ってるかもしれないよなぁ。
体温計るのでもケツに体温計突っ込むしなぁ(;´Д`)

なんとも因果な商売である。

でもなぁ・・・私はこの時見ちゃったんだよ。

賢者モードの巨猫が、
ほんの一瞬、世俗に戻り
気持ちよさげに目を細めるのを。

先生よ、多分あなたの気持ちは、
うちの猫には届いているよ。

ただ・・・如何せん、猫だから
人のようには受け取れないんだろうけど。

そして分かっていても、
中々恐怖は拭えない
部分もあるんだろうけど。

うちのキング・オブ・ビビリですら
こうなのだから、
多分、他の犬猫はもっと思っているだろう。

 

先生、あなたは多分あなたが思う以上に
患獣に愛されている。

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