消えた‟怪異パイセン”と挨拶運動の謎

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一説によると「挨拶」という行動は、チャチな防犯カメラよりも
防犯効果が高いらしい。

一番の理由として‟不審者は声を掛けられるのを嫌う”
という事があげられている。

まぁこれはあくまで人に対しての話であり、
怪異などの怪しいものについては、
‟無視をする”
が定石だ。

が、私は過去この定石をたたき割ってしまった事がある。

校内の怪奇スポット

七不思議がないのが不思議なほど、結構変なものがいた我が母校。

まぁどうしてそんな噂がなかったのか今改めて考えると、
皆、遊ぶのに一生懸命で幽霊どころではなかったんだと思われる。

16~18歳というのは今も昔も「花の女子高生」

いのちぃぃ~短し~遊べよぉぉ~乙女。
一部の体育会系と文化部を除き、皆授業が終わると
「〇~ンプリズムパワ~、メ~イクアップ!!」
と言わんばかりにバシバシに化粧をして街に繰り出すのである。

んで残っている体育会系は、ひたすら肉体を鍛えあげ
怪異が取り付く島どころか、寄り付く隙もない。

そしてそれ以外の奴らは・・・大体BL本読んでた(笑)

そうだねぇ、まだあの頃はJUNEとかもあったし、
薔薇族とか普通に部室に転がってたな。
おかしいな、うちは写真部の筈なんだが(爆)
(あの頃はまだ「ウホッ! いい男…」「やらないか」ってのはなかったはず)

それに、F1はまだセナもいて、皆夜中に腕振り上げながらレース見てたから、
昼間半死人だったりしたね(爆)

 

まぁただ、大きな話題にならないだけで、
「あぁなんかいるな」って思っている奴は数人いたわけ。

そんな中の一人、クラスメイトで拝み屋の娘が、
ある時こんな事を言ったんだ。

「あそこな、なんかおるわ」

彼女がいう“あそこ”とは、校内に幾つかある階段の踊り場の事だ。

うちの学校は立地こそ不思議だが、校内の作りとしてはまぁ普通だと思う。
当然階段が幾つかあり、学校定番の階段には踊り場がある。
その幾つかある踊り場の一つだけが妙に暗い。
更にそこを通ると妙な気配があるのだ。

とはいえ、それだけである。
ちょっと変わっているのは踊り場に鏡がある事だが、
鏡に何かが映るわけでもないし、
別に鏡がある踊り場はそこだけではない。

が、「いるか、いないか」と問われたら
“いる”
としか口から出ない。
一体、何なのだろうと思っていたらコレだよ。

娘「あれ、別に鏡に憑いとるわけやないけど、
あそこおるわ~。あんたは通るのやめとき。
なんかあったら嫌やし」

コイツと仲良くしていたのは、実は心霊の関係ではなく、
コイツのささやかな関西訛りのせいだ。

私とコイツはクラス内で唯一地元の方言以外を話し解する人間だった。

高2の頃からクラスメイトではあったが最初から話をしたわけではない。
確か変なとこ見てたら「おい」って声かけられて、
そこから仲良くなり、たまに忠告をしてくれた。

実家は副業としてそうゆう家らしいが、
本人は至って普通の腐女子だ(笑)

そんな訳で今回も忠告をしてくれたのだ。

 

確かに問題の階段を通らなくても校内を移動するのに
不自由はしない。
ただ、私が普段入り浸っている理科準備室までは
その踊り場のある階段を使うのが一番近い。

私「・・・・面倒クセェ(;・∀・)」
娘「そうゆう問題じゃなく!通るなよ!」

そうは言われたものの、実際何か見たわけでもないし。

・・・と言うわけで、
私は友人の忠告を潔く無視する事にした(笑)

踊り場の怪異パイセン

私は特別キチ〇〇に分類されるほうではないと思うが、
やっぱり基本的に頭がおかしい。

“なんかいる”
ってハッキリ聞いちゃったら、無視して通るのも悪い気がする。

何しろ‟それ”は少なくとも私が入学するより前からいるのはハッキリしている。
入学した時から既にそこはそうだったからな。

そうすると例え怪異であっても先住者はアチラである。
要は校内において向こうが‟先輩”なのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・怪異パイセン!!(爆)

いや、今も昔も私は先輩的な人や後輩的な人や、
師匠的な人がいないので、なんか憧れなんだ、こうゆうの(笑)

 

あ、そんなわけで、その踊り場を通る時には

「あい、通りますよ~」
「ち~っす、ち~っす!!」
「今日めっちゃ天気いいっすよ~!」

一声かけて通る事にした(笑)

勿論、人がいない時に限りだが、何故かそこは人通りが
極端に少ないので見咎められることはなかった。

そして、そうやって声をかけたからって何かが起きる事はなかった。
そう、最初のうちは。

消えた‟怪異パイセン”

私の変な思考回路が勝手に実施した「挨拶運動」が始まり数か月。

今までどんな時でもどんよりと暗かった踊り場が、
何故かちょっとずつ明るくなってきた。

そして明るくなるにつれ、利用する人間が増えてきた。

で、再び昼休み。
また件の友人が唐突に話始めた。

娘「あの踊り場さ・・・最近妙にスッキリしてん」
私「あ~、なんかさ、最近明るくなったよね。
使う人増えたからもう声かけなくてもいいかなぁ?」
娘「?なんだそれ?」

あ、しまった(;・∀・)

私「いや、お前がなんかいるって言うから、前通る度に挨拶してたんだよ」
娘「寄るな言うたやんけ(;・∀・)」
私「回り道は面倒臭い。私は最短でチュンチュン※
御用聞きに行きたいのだ」

※チュンチュンとは60過ぎの理科教師で、
雀を餌付けしていて、顔はカエルっぽいが動きが雀っぽい。

友人は、うばぁぁぁぁ(;´Д`)という顔をしていたと思う。

娘「何で急にいなくなったんやろ?お前、まさか経でも上げてたんか?」
私「いや、別に。普通に挨拶してたよ。
物の怪だって無視されたら悲しかろう。
ある程度認知された事に満足していなくなったのかもよ?」
娘「解せぬ・・・・(;・∀・)」

この時はこんな感じで話が終了した。
そう、どうして踊り場にいた何か(怪異パイセン)がいなくなったのか、
この時は分からなかったのだ。

鈍感の大きなお世話

それから十数年後。
ふとしたことから、この話を拝み屋のジジイにしてみた。

そしたらジジイはカラカラ笑って、
ジ「そりゃ、お前がウロウロしてたからに決まっとるだろうが」
という。

ジジイ曰く、結局私のスピリチュアル的な才能というのは、
見る見ないというよりも‟祓うこと”にあるらしい。

確かに怪異と変態を寄せはするが、自衛もする(色んな意味で)ので、
大事件にならないんだとか。

んで、その元になるのは、分かりやすく言えば守護神的なものとして、
‟山にまつわるお神”がついて回るから・・・らしい。

別に山の神が特別ってわけじゃない。
特別ではないが、強いて山の神の特性をあげれば

‟普段大人しいぶん、怒らすと超怖い(笑)”

その怒らすととびきり×××なモノの七光りを背負ったものが、
見えずとも存在を感知して、ましてや声を掛ける・・・というのは、
アチラにしたらとてつもなく怖い事だそうなんだ。

ジ「後ろ暗い者が悪事が露見した際に自分を捕まえたり、
懲らしめたりできる能力のある人間がよく来る場所を必然的に避ける。
・・・そうゆう事だ」

結局の所、怪異は怪異であるがゆえに、
人以上に自分と同種のものに敏感である。

私の自己防衛は常に働いているわけではないので、
ちょっと見ただけでは、ただの‟怪異を寄せる人”だが、
怪異自体にはその裏側にあるバックボーンが薄っすら見えている事もあるらしい。

だから‟逃げた”
あるいは‟浄化された”そうゆう事なんだそうだ。

ちなみに、発する言葉はあまり関係ないらしい。
要は‟ソレ”に向けて言葉を発するのがミソらしい。

ジ「お前が無意識にでも怪異に狙いを定めてモノを言う時、声に力が乗るんだ。
逆にそれが出来なきゃ、いくら経上げたって駄目さ」

はぁ、そんなもんすかね?
でも、それが本当なら、私が良かれと思ってしてたのって・・・・

ジ「向こうにしてみたら、余計なお世話よ。
まぁしかし、知らんというのは中々面白い事になるなぁ」

 

・・・そんな訳で、怪異パイセンが消えた理由が一応解き明かされたわけだが、
結局卒業後、一度も母校に入っていないので、
今もパイセンが消えたままなのかどうかは謎である。

いやそれ以前に、結局怪異パイセンってなんだったんだろうなぁ?

まぁこれは特例として、基本怪異への対策は無視が一番。

挨拶運動は・・・生きている人間にだけしましょうね。

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