怪異の通う部屋

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実家を出てから早いもので
四半世紀経とうとしている。

その間、何度か住み替えをしているが、
ダンナと生活する部屋と別に
私名義で‟画室”兼‟ネコ部屋”としている別室は
‟事故物件スレスレ部屋”
である。

幸いなことに部屋には何もないのだけれど、
問題は私の部屋ではない。

私の隣、‟大家の部屋”である。

事故物件の真上に住む人

「事故物件スレスレとはなんぞや?」
なんだが、
今私が借りている部屋は、
‟事故物件の真上”
である。

何でそんな事を知っているかと言うと、
ダンナが大家と友人で、
うちのダンナはこのアパートが出来た頃から
出入りしていて内情を良く知っているからだ。

しかし、この部屋を私に紹介したのはダンナである。

もちろん、借りた当初はそんな話聞いてない。
住み始めて数年後、ポロっと
「君の下の部屋、事故物件だからねw」
と言われた(爆)

自分の嫁、
しかも多少なりとも怪異と関わるタチの人間を
事故物件の真上に住まわせる男ってどうよ?
と思うんだが、奴曰く

「見た感じ何もいないし。
それにちょこらちょっとのモノだったら、
君らが住めばいなくなっちゃうから」

だそうだ。

‟君ら”とは、当然‟私と獣たち”の事だ。

確かに、越して来たばかりの頃は
まだ初代も存命中だったし、
歴代の猫の中で
ずば抜けて邪払いとしての力が高かったせいか、
亡くなって数年経つ今も何処となく初代の威光を感じる。

更に今はそれに加えて2代目。
そして一応彼女らを統括する家主の私は、
幽霊なんぞ家庭内で見ようものなら
「住みつくのなら家賃を払え!!」
と言い放つ気満々の守銭奴である。
(地獄の沙汰も金次第)

誰が一番力を発揮しているのかはさておき、
実際、部屋で怪現象が起きた事は殆どない。

そりゃ確かに全くない事はないが
それは全て‟私たち”に由来する怪異であり、
‟部屋”に由来するものではない。

そうゆう点で、この部屋は住みやすい。

怪異の通う部屋

時折‟リアル警察24時”にはなるものの、
ちょいちょい警察立ち寄り所になっているお蔭で
防犯としては悪くないし、
少し奥まった駐車場内で柴子を遊ばせていても
誰も何も言わない。

‟長居する気はないけれど程々に住みやすい物件”
である我が家。

そんな適度にいい加減なうちのアパートだが、
ある時ふと気付いた。

廊下がおかしい。

うちの部屋は、角部屋といえば角部屋。

前にも書いた気がするが、
建物は北を上にすると「逆トの字」型で、
横棒部分の内側に私の部屋がある。

私の部屋の東は廊下、西は大家の部屋。
そしてこの横棒部分には2世帯しかいない作りだ。

ちょうど部屋の前に螺旋階段はあるが、
エントランスにエレベーターもあるので
使う人は少ない。

また使う人間も自分の部屋の階→1階へ行くために使うので
うちの階は基本スルーだ。

そんなわけで、うちの前を通りすぎるというのは、
大家の部屋を訪ねる人に限定される。

その通路を時折“何か”が通る。

うちの通路に面した北側の部屋には
大きな窓がある。
すりガラスと鉄格子のような枠があるが、
人が通ればシルエットくらいは映るし、
下はコンクリなので足音がする。

それなのに、以前から時々

‟何かが通り過ぎる気配がするのに姿が見えない”
‟確かに前を通り過ぎる足音がしたのに姿が見えない”

という事が度々あった。

しかし、そこの廊下は野良猫も通るので、
足音は別の階のものを聞き間違えたもので、
気配は‟猫のもの”だと思ってたんだわ。

うちの猫達も廊下に面した窓から外見てるしね。
ただ・・・・たまに凄い変な顔して見てる。

勿論、一番変な顔で見てたのは初代だ。

まだ初代が存命で年の割に元気にしていた頃は、
黒猫3匹で代わる代わる窓から外を見てたんだが、
初代が、たまに変な顔で見てた後に
私に何かを報告するようにニャンニャン喋ってくる事があった。

その妙にもの言いたげというか、
何かを訴える顔を見て

「?・・・まぁいいや。追い払え(`・ω・´)ノ

と適当に言ってた。

今にして思えば、なんで「追い払え」なのか、
自分の口から無意識に出る言葉に注目すべきだった。

ターミネーター的怪異

とある雨の日。

2階上のダンナの部屋から、
仕事部屋である自室へ戻る時、
変なものを見た。

先の通り、うちの前にあるのは螺旋階段なので、
階段を下りながら自分の部屋のある階の通路が見える。

いつも通り、階段をコツコツ降りてくると
その自室前の通路を
‟何か”がスーっと移動している。

この様子を何かに例えるとしたら・・・・

「ターミネーター2」に出て来た、
敵役の液体金属で出来たターミネーター。

確か、劇中でカメレオンのように周囲に擬態しながらも
一応ソレと分かるように移動するシーンがあったはずだが、
あれによく似ている。

あんな感じで、
薄ぼんやりとしているが、
確実に「なんかあるだろう」という

空気の塊のようなものが移動している。

で、ソレは、大家の部屋へ消えた。

怪異の正体

・・・・流石に、この時はそのままダンナ部屋にUターンした(笑)

戻りながら「あ~」と思う。
日頃、初代がおかしな顔で私に何か訴えている時、
表を通っていたのはアレだ。

アレは、今日たまたまあそこを通過したのではなく、
定期的に通ってきている。

それをセンサーに引っ掛けて、
「追い払え」
と言っていたんだ。

ダンナの部屋で早速、
見てしまったものを言う。

私「ダンナよ。カクカクシカジカで・・・・
何か通ってきているようなんですけど、あれは何だ?」

ダ「ん?‟元々”生霊で通ってきてた奴

元々?
元々って事は・・・・・

ダ「死んでも通ってくる(`・∀・´)ノ

・・・・・・・・・マヂかよ(;・∀・)

ダ「あ?妖怪アンテナ(笑)に引っかかった?
え?本人に教えないかって?

教えるわけないじゃんww
アイツ悪いことしすぎww

まぁ、うちの部屋に通ってくるわけじゃなし、
私に実害がないからいいけど。

強いて問題があるといえば、
そのように何かが通ってきた日は
大家が派手にうなされる事だ。

冬場は窓を閉めているのでさして気にならないのだが、
夏場はどちらも窓を開け放っているので非常にうるさいorz

え?大家の安否?
そんなの私の知ったこっちゃねぇよ。

こういってはなんだが、
それが通ってくるの分かる気がするんだわ。

いやね、ここの大家、はっきり言って
“ヒヒジジイ”
なんだよ。

女だったら誰にでも手つけようとするし、
なびかないと変な言い掛かりつけるんだよね。

うちも数回変な言い掛かりを付けられているけど、
ダンナと大家が古い馴染みだから、
何かあるとダンナが舌先三寸で言いくるめちゃうんだよね。

まぁほかにも方々で恨み買ってますからな。
人間だけじゃなく、
猫の恨みも買ってるようですからな。

社交辞令でお気の毒様と言っても、
同情はできんのぅ。

いやしかし、死んでも通ってくるたぁ、ご苦労様なことですわ。

皆「幽霊怖い!!」って大騒ぎするけど、
幽霊だって生まれた時から幽霊じゃないからね、
人間の成れの果てだからね。

 

やっぱ、一番怖いのは人間だわ。

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