コタローさんという狐 ~京都・名古屋・高山を駆けるお遣い子狐物語~

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うちのダンナが怪異について語る時、
こう言っちゃなんだが、
怖さもありがたみもない。

けして話下手ではないし、説明も下手ではない。
ボキャブラリーが少ないわけでもない。
が、“物語る”というのが下手なのだ。

何しろ某神社に以前あったという
アメノウズメノミコトの絵の説明をさせたら
「昔のは、もっとチチ放り出した格好で・・・」
という調子なのだから。
せめて「胸をはだけたしどけない姿で」くらい言え。

今夜は、そんなダンナの嘘や誇張がないゆえに、
ありがたみに欠ける話を
ありがたみがないままにダラダラ書きたい。

ダンナ in きつね~ランド

ダンナ「昔、うちにはコタローさんという狐がいたんだよ」

ある日、某社のお遣いがムッキムッキで・・・って話を
ダンナにしたら、そんな話をし始めた。

といっても、キタキツネとかホンドキツネとか、
ましてやフェネックキツネの事ではない。

元は五穀豊穣の神だが、今や庶民から金持ちにまで
厚く信仰される銭儲け商売繁盛の神
“お稲荷さん”こと稲荷大神!!
・・・のお遣い狐のことだ。

冒頭で私が言ったのも、その狐だ。
奥の院に行ったら怪異のお遣い狐が見えちゃったんだが、
それが狐と呼ぶのをためらう勢いのマッチョバディだった。

いつも思うが、仮にこれらが私の幻覚・妄想だとして、
どうして思惑通りのモノが見えないのだろう。
どうして妙に色モノというか、ネタっぽいんだろう。
狐ってこうシュっとしてんじゃん。
なんでムキムキなんだよ。

私「ん?あれ?あんた、稲荷と狐は嫌いじゃなかったの?

ダ「まぁそうなんだけど、ほら、俺昔
“きつね~ランド”で修行してたでしょ?
その時、ある社の前で急に呼び止められて、
いきなり“そこに座って祝詞あげよ!!”って言われて・・・
革靴なのに正座させられ・・・・
周りに人もいるのに・・・・
祝詞をあげさせられた事がある

何、その羞恥プレイ!!(;・∀・)
で、それからどうした?

ダ「そしたら・・・なんか・・・子狐もらった(;´Д`)

これが、ダンナと子狐コタローさんとの出会いだったそうな。

お遣い狐の所属先

よく“狐=稲荷の遣い”と考えられがちだが、
狐の姿をしているものが全部稲荷大神所属か?
というとそうでもないらしい。

ダンナ曰く、稲荷大神以外でも“My狐”を持っている
お神はいるそうな。

それこそ一応日本のトップとされている伊勢の天照さんなぞは、
My龍からMy天狗、My神馬などなどなど、
そりゃあ多種多様なお遣いを所有しているっぽい。
(どれもこれも真っ白なので、職業病で着色したくなる)

そもそも便宜上私も「狐」と呼んでいるが、
あれはやっぱり動物の狐の霊ではない。
あれはあぁゆう神獣とか霊獣で、
具象化する時になんとな~く狐っぽい姿になるだけだ。

ほぼ腐れ縁のようになっている、うちの実家裏の社にいる狐も
親は“お稲荷さん”と呼んでいるが、
そもそも狐自体は稲荷大神じゃねぇ。
何処までも“お遣い”だ。

実家裏の狐は、実際には裏の山神さんのお遣いをしているっぽい。
まぁ確かに私が行くとドヤ顔で稲荷社にいるが、
稲荷専属ではないようだ。
(専属とは顔と雰囲気が違う)

きつね~ランドはお神の総合テーマパーク

そして“きつね~ランド”も入口こそ狐御殿風ではあるが、
別に稲荷大神だけをマンセーしているわけではない。
分かりやすく言えばあそこは
「お神の総合テーマパーク」
「神々の総合デパート」
なのである。

あの場所の醍醐味は、狐全開で派手な表ではなく、
清少納言も愚痴たれた山のほうにある。

そう、あくまでもメインは山!
絶対にインスタ映えな千本鳥居ではない!!

鳥居を抜けて中へ入れば入るほど
何を祀っているのか不明すぎる社と、
色んな気配が増えてきてかなりカオス。

だが、それでいてお互い反発もしないで収まって、
なおかつ「山」というのが
私のような人間には非常に居心地がいい。

そしてそのカオスっぷりを裏付けるのがきつね~ランドの運営方法だ。

実は全部が全部、麓の狐御殿の管轄ではないらしいのだ。
更に中の各社は言うなれば“独立採算制”で成り立っている。

実はきつね~ランドに限らず、
神社にはたまにこうゆう社があったりする。

例えば境内内のとある社に何かを奉納したくて神社に問い合わせると、
「そこは〇〇講の管轄なのでうちではなんとも」
なんて事も・・・稀にある。
ここは、その稀が沢山あるという事だ。

ダンナ達も師匠に連れられ山で行を積んだが、
その中にある稲荷とは全然違うお神の滝に入っていたので、
きつね~ランドにいても狐とはそんなに関係がない。

最初にダンナの守護に立候補してきたのも、
この山にお住まいの狐ではなく小天狗さんだったしな。

このランドの形態をダンナから説明された時、
一応〇ッキーというメインキャラはいるものの、
他にも〇フィーとかド〇ルドとか熊五郎とかいて、
各キャラのアトラクションがある東京ネズミーに非常に似ている
と密かに思った。
朝はパレード笑あるしな。
なるほど、世界的に有名な観光地になるわけだ。
(薬力さんとかHPに「山の健康ゾーン」とかキャッチ入れているし)

 

脱線してしまったが、そんな訳でコタローさんは、
きつね~ランドにいるものの
実際には稲荷大神とは違うお神の部下ある。

最初に呼び止めて祝詞をあげさせたのは、
コタローさんではなく、どうも上司っぽい。

で、祝詞が気に入ったのか、それとも
ダンナのドMっぷりが気に入ったのか分からんが、
「褒美を取らす!!持ってけ!!」
と言わんばかりにコタローさんを押し付けてきたのだ。

まぁ、このコタローさんってのもランド暮らしが退屈だったのか、
時々抜け出しては「暇を持て余した神々の遊び」的な事をしていたらしい。

そのエピソードを交えて考えると、上司的に
「お前ちょっと丁稚奉公でもしてこい!」
という事だったのかもしれない。

なんだか、厄介な社員を栄転という形で僻地にぶっ飛ばしたり、
子会社に出向させる会社事情を思わせる話である。

ダンナとコタローさんと狐パパ

社の生活は余程暇だったのか、
ダンナにくっついて名古屋へやってきたコタローさんは
意外とやる気満々で、常に全力待機していたそうな。

が、うちのダンナは稲荷全般があまり好きではない。

だから、祀るだけは祀ったが、
何も頼まず放置プレイにしたそうな。

で、数か月後。
ダ「お前、このまま此処にいても俺は使わんよ。
もう大人しく“きつね~ランド”に帰んなさい」
と、言ってコタローさんを追い返してしまった。

 

そして、そんな事をすっかり忘れて数週間。
当時、高山にHさんという霊能者がいた。
ある日、そのHさんからダンナの元に電話がかかってた。

H「あのね~、うちに今これこれこうゆう子狐きてんだけど。
本人、あんたの所から来たって言ってんのよ、心辺りあるかしら?」

心当たりがあるもなんも・・・・
そんなのコタローさんしかいない(爆)

勿論、ダンナはコタローさんの事などHさんに話してない。
これも以前話したような
「知らない筈の人が知っている」
という怪で、“霊能者同士あるある”だ。

こうゆう話聞く度に、
こいつらの個人情報とかどうなっているのかと、
非常に不安に思う(;・∀・)

ダ「あ、うん。少し前きつね~ランドで押し付けられた奴な。
京都に帰れって言って少し前に追い出したのに、
えぇ~なんで高山にいるんだよ、方向逆じゃん(;・∀・)」

まさか天下のお遣い狐たるものが方向音痴なんて事はないだろう。
これは何か理由があって高山に飛んでいったのだろうと本人に話を聞くと、

「高山の社に‟お父はん”がおる。お父はんトコへ連れてってな」

お使い狐にもやっぱり血縁者っているのか?
って疑問はあるが・・・とりあえず本人がそう言うのだから仕方がない。
二人はコタローさんの親を探したそうだ。

で、見つけたわけよ。

いたのさ、パパが。
高山の某稲荷社にお勤めだったのさ。

で、いわばそこの支店長的なパパ狐にコタローさんを届けにいったという。

私「ちなみにパパはどんな狐だったの?
ダ「黄金のフッサフサの毛並みをした物凄い立派な狐だった」
私「・・・・こう、さ、もう少し想像力を掻き立てるような表現はないのか?」
ダ「え?あぁ、普通に日本語喋ってたよ。コンコンじゃなかったよ」
私「むしろ、コンコンとかケンケン鳴いている狐を見てみたいよ・・・」

と、言うわけで、
とりあえず社に行くと
荘厳で美しい黄金色の“日本語を喋る狐”
が姿を現し、コタローさんを引き取ってくれたそうだ。

この時、いつまでも子狐のコタローさんと言うわけにも
いかんだろうという事で、名前を奏上したという。

ぶっちゃけてしまうと、
「今まで居てくれたお礼に名前差し上げるので、もう勘弁して下さい」
っていうのが正しいかもしれない。

そのため今コタローさんは“コタローさん”ではなく、
“〇〇大明神”
という名を名乗っているという。

コタローさん、子狐の姿ながらも
中々位の高い狐だったらしく、
その名一つで、ある程度の格の狐までは退いてくれる
・・・という裏技がここで誕生した。

その後、コタローさんは、高山ときつね~ランドを
気ままに往復して暮らしているそうだ。

 

私「これさ、多分、普通に考えたら凄い話だと思うんだわ」
ダ「凄い話でしょ?」
私「その凄さが1mmも伝わらないのは何故だろう?」
ダ「・・・さぁ?」

まぁ・・・うちのダンナの話すことって大概こうなんだ(笑)

コタローさん後日談

で、この話の後、一応高山と京都には行ってみた。

まぁ別に怪を求めて神社へ行くわけじゃないが、
話を聞いたらとりあえず行ってみたくなるわけよ。
というか、一つ走る理由が出来る(笑)

それにダンナ曰く、コタローさんというのは
金色でとても可愛らしい狐らしい。
動物好きとしては、単純にビジュアルだけで言うなら龍や天狗より
断然、狐である。
ご利益だの格だのは、一般人の私には関係ない。
モフモフこそ正義だっっ!!(`・ω・´)ノ
見れるものなら見たい!その金モフを!!

で、まず高山のほうに行ってみた。

とりあえず、パパ狐が常駐している社へ行った。
姿こそ見なかったが、見なくてもダンナが言わんとしたことは十分わかった。
なんというか、人ごときが眷属だのお遣いさんとは呼んではいかんほど、
立派なモノがいるのが見えなくてもよく分かる。

あぁこれがパパかと思って、(一方的に)世間話して帰ってきたけどね。
まぁ一つ阿保っぽいが非常に切実なお願いをして。
(で、一応それはちゃんと果たされたので、パパ凄いなぁって思う)

次に京都のきつね~ランドに行ってみた。
が、如何せん神仏以上に人が多い。

オマケに〇国人が多すぎて、
国内なのに周りから日本語が一切聞こえない
という違う意味での不思議体験をする羽目に・・・・
(千本鳥居潜ってる間にワープしたんかと思ったわ、マジで)

更にあの広大な敷地。
・・・結局社が見つからなかった。

小天狗さんの所は寄れたけどな。
山ん中で、ある社の前を通りがかったら雨が降ってきてな。
雨宿りがてら飛び込んだ社が・・・小天狗さんの社だった。

高山にしても京都にしても、
別件もあるから定期的に行く予定はあるので、
運が良ければそのうち会えるだろう。

ダンナにしろジジイにしろ、もう中々お山までは上がれないからな。
たまには私が行ってコタローさんも含む諸々の方々に
ダンナ達の近況を報告しようとは思っている。

怪異がどれほど人の事を気にしたり記憶しているかは謎だが、
あぁゆうものは手を合わせる人間がおらんと消えてしまうからな。
相手が人外でも、自分と直接関りがなくとも、
それは少し寂しい話だ。

ただ、高山はいいとして
「そろそろランドに行こうかなぁ?」
という話をする度にダンナから

「絶対に正体の分からない社で手を合わせないで!
下手に気に入られると大変だから!!」

とか

「まかり間違っても天狗とか拾ってこないで!
お祀りするのも返しに行くのも大変だから!!」

という謎の注意をされる。

京都には、そんなにホイホイ狐や天狗が落ちているのか?
という疑問があるが、
雨の日に段ボール箱に入って濡れていたら
拾ってきてしまうかもしれない

・・・・と、古典的妄想を抱いてしまうのであった。

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