血もしたたる・・・・ ~実録・郵便配達戦記~

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世の中には様々な「利用規約」というものがある。

乗り物だったら持ち込んだらいかんもの。
何かを送る場合だったら、送る事の出来ないもの。

でも、かりに利用規約に書いてなくても、
一般常識的に考えたら「これはマズイだろう」っていうものは
あると思う。

レターパックというもの

郵便局には「レターパック」という便利なものがある。

これな、こうゆうやつ。
一度は見た事があるのではないだろうか?


※画像は郵便局のサイトからお借りしています。
画像は「プラス」だが、「ライト」というものもある。

重さとサイズの規定はあるものの、そこさえクリアすれば
料金は全国一律となっており、
追跡サービス有で、更にポストに入るサイズであれば、
いつでもポストから発送する事が出来る。

ちなみに「ライト」は、配達の際もポスト投函(非対面)ではあるが、
配達先ポストに入らない場合は、自動的に対面配達になるし、
これ見よがしに「折り曲げ厳禁」と書いて、
厚紙の一枚でも入れておけば折り曲げられる事はない。
(少なくとも私は折り曲げなかった)

使いようによっては、クロ〇コより使い勝手のいいサービスである。

レターパックの利用規約

で、このレターパックの利用規約として
「送る事の出来ないもの」も当然あり、
郵便局のサイトから引用すると以下のものが該当する。

現金・貴金属等の貴重品及び爆発物・毒劇物等の危険物等を入れて送付することはできません。

また、ガラスや陶磁器などのわれもの/精密機械などのこわれもの/なまもの・いきもの/
芸術作品等代替品の入手が困難なものの送付はご遠慮ください。

ここでポイントになるのは
「送付出来ないもの」
「ご遠慮ください」

前者は当然の事ながら「禁止」だ。
現金は現金書留でなければならないし、
(レターパックや普通郵便で現金を贈るのは郵便法17条に違反する)
爆発物や毒劇物は言うまでもない。

貴金属は何処までを範疇に含むか記載がないが、
レターパックは「損害賠償は行わない」というサービスなので、
高額なものは入れないのが無難。

そして曲者なのは後者だが、これは「自分でよく考えてみろ」って話。

まず損害賠償がないし、特別精密な取り扱いをされるわけではないので、
ちょっとの衝撃が命取りなものを入れて壊れても弁償はしてもらえない。

そして‟いきもの”はパックのサイズがサイズなので、
確かにハムスターくらいなら入るが、
そんなものを入れて送ろうという奴がいたら、そいつはキチ〇イである。
昆虫等々もそうだ。
絶対に圧を掛けられない保証はないからな。

‟なまもの”については、OKなものもある。
例えば生菓子でも真空パックになっていて、
常温保存OKのものなどだ。

そう、具体的に品目を書かれていなかったとしても
自分で考えたら「普通分かるよな?」ってあると思うんだ。

「ご遠慮ください」っていうのは、
そうゆう一般常識の範疇で考えて「どうなるか分かるよな?」
ってものなのだ。

な・ん・だ・が、
たまに
「お前の脳内会議の結果は、どうしてそうなった?」
というものを送ってしまう人がいる。

血もしたたる・・・・レターパック事件

ある日の午前中の事である。
いつも通り配達に出る前に‟順立て”作業をしていた私。

で、私の担当している一区間というのは、
どうも前に区画整理か何かがあった関係で、
隣の班のNくんという子が担当している地域の郵便物が度々混ざる。
例のスーパー区分機が混ぜてくる

その度に、私は5mほど離れた彼の机に持って行くのだが、
その日もやはりそのように手紙数通を持って彼の席へ向かった。

が、なんだか、彼の机の周辺が妙に・・・・臭い。

生臭いというより、あからさまに血生臭い。

局内で血生臭いってどうゆう事?と思いつつ、
気のせいかと思ってNくんに声をかけたんだが、
振り返ったNくんは、これ以上にないほど困惑した顔をしている。

私「Nやん、ど、どうしたの?」
N「し、柴ちゃん・・・・こ、これ、どう思う?」

彼が指さしたのは、一通のレターパックなのだが・・・・
下半分が赤黒く変色している。

しかも、濡れてテロテロと光っている。

私「・・・・どうもこうも、それ中身漏れてるやん(;・∀・)」
N「だよねぇぇぇ・・・さっきから何か茶色のものが滴っているんだよ

確かに、変色したパックの角から、茶色っぽい液体がじんわりと垂れている。

N「どうしよう・・・俺の所に来た時、既にコレなんだけど」
私「上からビニールかぶして配達するしかあらへんやろ?」

っていうか・・・・さっきから感じる生臭さというか、血生臭さは、
明らかにコレからしているんだが・・・・

私「っていうより、中身何よ?
N「いや、文字が滲んでよく分からない」

そういうので、ビニールをかぶせるのを手伝いながら、
改めて液体で滲んだ内容物の欄を読んでみた。

滲んでいるというより、ハッキリ言って字が汚くて
住所も怪しいが内容物についても、物凄く読みづらい。
(古代文字解読作業)

・・・どうも漢字が書かれているようなんだが。

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシゴシ

(;゚ Д゚)!?

嘘だろう?おい、本当か?本当に中身はこれなのか?

内容物「猪肉」

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

思わず、無言になる二人。

私「Nくん、これ中身‟猪肉”やって」
N「豚肉じゃないんだよね」
私「とりあえず‟肉”だ」
N「干し肉じゃないんだよね」
私「この滴り具合から言ったら、ナマだろう。ナマ。
しかも、この色から言ってドリップじゃねぇだろう。
血抜きちゃんとしてねぇんじゃねぇのか?」

いずれにしろ・・・・

私・N「生肉ってさ、普通常温で送るか?」

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

送らねぇよ!!( ゚Д゚)ドルァ!!

私「送り主は何故レタパで生肉を送ってOKって思ったんだ!!」
N「冷蔵庫の存在を知らないのか!?」
私「まさかの熟成?熟成のつもりで常温発送?

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

無理だから!!

ひとしきり二人で大騒ぎしたあと、
ボソっとNくんが言った。

N「これ、届けるのは良いけど、
そもそも食べられるの?
どうよ?ジビエ肉を吐くほど食べてる柴ちゃんとしてどうよ?」

・・・猪は、うちの地域じゃあまり取れないから
猪肉が例外だったら分からないけど、
それでも鴨の解体を手伝わされていた身として言うわ。

匂いから判断して絶対食べたくない(;・∀・)

先に鼻につくのは確かに血生臭さなんだけれど、
ほのかに・・・腐敗臭がするんだよ。

よく加熱したら食べられるかもしれないが、
もう完全に自己責任系の話だ、これは。

私「これ食べるくらいなら、私熊の解体手伝いに行くわ・・・
でもって、熊鍋食って取った脂もらってくる・・・」

N「だよなぁ」
私「だよね」

血染めのレターパック、その後

その後、ビニール袋で2重に包まれたレターパックはNくんの手により
無事に配達された。

配達の際、手元に届いた時点で既にこれ(中身が漏れている)である事、
そしてそもそもレターパックは常温での取り扱いしかない事を説明したので、
特にお咎めはなかったらしい。

しかし、受け取った人がそれをどうしたかは謎である。

 

世の中には
「常識を疑え!」とか
「人と違う事をしろ!」とか
「考える前にやってみる」とか
そうゆう言葉がある。

ただ・・・送った人にとっては、
肉をこうゆう状態で送るのが常識なのかもしれないが、
普通の感覚で行けば・・・これで受け取ったものは安心して食べられないと思う。

本当、たまに
「常識ってなんですか?」とか
「普通ってなんですか?」って
突然のたまいだす人いるんだけれどさ・・・・

ある意味でそれは
「他人の気持ちを推し量る事」
だと、私は思ったりするんだ。

気持ちは正しい形で梱包し、送るからこそ気持ちとして届く。
間違っても「とりあえず送ればいい」ってものではないのである。

それにしても、受け取った人はあの肉をどうしたんだか。
そこが一番気になる所だ。

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