蘇る猛獣 ~飼猫が突然怒り始めた!さぁどうする?~

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巨猫は既に他界しているが、
1月の終わりからそれまでの間にあった事を
あまり書けていなかった。

それまでの間にあったことで
まだまとめていない事も多くある。

というわけで、今回は
「その間にあった事編」
である。

蘇る猛獣

毎度の血液検査の結果はゆるく下り坂ではあるものの、
急激な変化や異常もなく2月に突入した。

巨猫本人も別に経鼻カテーテルを特別嫌がる事もなく、
そして調子が良ければ自ら‟とろリッチ”を食べ、
悪いながらも穏やかといえば穏やかである。

が、その日は何かが違ったらしい。

2月3日、通院しようとキャリーに詰めた。

いつもであれば
「あお~ん、あお~ん(訳:やめてよ~出してよ~怖いし~)」
と鳴く場面だが、この日は
「う~!!」
低い唸り声が響きわたる。

犬が吠え、
猫が唸るのは当たり前と言えば
当たり前の事である。

が、しかし、
目の前の猫が10年以上その‟当たり前”をしていない場合
飼主としては驚かざるおえない。

巨猫は元野良猫という境遇でありながら、
10年以上、私に対して唸り声をあげた事がない。

私だけではない。
長老を始めとする先住猫、柴子、
そして後から来たにも関わらず
年功序列をひっくり返して我が家最強として君臨する
二代目に対しても一度も威嚇をした事がない。

この10年で唯一見かけたのは、
捕らえた蝉を巡って他の猫と小競り合いをしていた時くらいだが、
その時ですら唸るというと大げさなほど
控えめな唸り声であった。

※どうやら網戸の隙間から捕まえたらしい。
翌日には羽だけが落ちていた・・・・。

かつての奴はともかく、
今は柴子が横を跳び歩いていようが、
二代目に猫パンチを食らわされようが
うんともすんとも言わず、
かといってそれに怯むでもなく、
必要とあらば見た目に似合わぬ俊敏さで逃げる
‟風林火山”の‟火”を欠いたような猫
なのだ、こいつは。

その猫が唸っている・・・だと?
いやいやいや・・・・何かの間違いだ。

ちょっと機嫌が悪いだけだろうと、
そのまま病院へ行った。

だが、診察のためにキャリーを開けた時、
その不機嫌さは既に怒りに移行し
怒髪冠を衝く勢いになっていた。

世の中の犬派閥と猫派閥の間に挟まれ
薄っぺらくなって暮らしている
‟犬猫派”
として正直に言おう。

マジギレの猫は
同じサイズの吠える犬より迫力と破壊力がある。

何しろ「全身凶器」の生き物が猫である。

猫には「馬鹿には見えない武器」が多数搭載されています

たかが猫、されど猫。
あぁ見えて彼らは丸々と太った鳩を一瞬で捕らえ、
解体して食すだけのポテンシャルを持っている。

実際、私もエリンギに噛まれた事があるんだが、
一瞬で犬歯が2/3ほど手にめり込んだ。
(勿論、大流血&手パンパンで病院送り)

雄としては小柄で細身、
犬歯小さめで、
喧嘩らしい喧嘩をした事がない
ヘタレ男・エリンギですらソレなので、
口に収まり切れない巨大な犬歯のある巨猫に
マジ噛みされた日にゃ、
ウッカリしたら指が落ちる。

キャリーケースから出すために、
正面口を開けてみたが
即座に
「ブシャァァァ~!!(訳:オラァァァ~!!)」
と、猫パンチが飛んでくる。

速すぎて軌道が読めない。
スタンド能力だろうか?

しょうがないので上部を外すも、
「フゥゥゥ~」という
猫独特の唸り声は止まず、
やはり時々
「プシャッッ!!」
と叫びながら猫パンチを繰り出す。

その度に全員で「おぉ!!」という謎の喚声を上げる。

しかし、この時その場にいた全員が考えていた事は十中八九、
「こっ、怖い」ではなく
「コイツ、怒る機能ついてたんだ」
であろう。

それくらい・・・ここ10年ほどの巨猫の診察態度は紳士的。
紳士的というか・・・“簡易版・賢者モード”になっていたのだが、
事情を知らない新・担当医にとって
巨猫は絵にかいたような
“お気遣い紳士猫”
だったのだ。

診るほうが怪我をするとかしないとかの前に
此処までになると首からは採血が出来ない。
そんなわけで、この日は薬だけもらって帰る事に。

自宅に帰れば機嫌も直るだろうと思っていたのだが、
どっこい、巨猫の機嫌は直らなかった。

それどころか、
いつもは自分でキャリーケースから走り出てくるのに
そのままキャリーケース内に籠城。

更に覗き込んだりしようものなら威嚇の嵐だっ!!

思わず動画を撮ってしまったので
証拠としてここでも公開しておく。

これ単体でも面白いんだが、
更におもしろいのは、柴子と二代目の反応である。

意外な事に柴子は「久々に怒ってはるわぁ」くらいで
すっかり‟触らぬネコに祟りなし”を決めこんでいるのだが、
二代目は巨猫の様子に戦々恐々である。

あれだよなぁ、二代目にしてみたら
初めて見る‟ガチ切れ巨猫”なのだから。

私はと言えば・・・
確かに困る事は困るのだが
「コイツにもまだそうゆう所残ってたんだなぁ」
と妙に感心してしまった。

猫が突然攻撃的になる理由は様々で
全てが表面的なご機嫌だけでは片付かない。

しかし、かつての奴は
このような荒ぶる姿が当たり前だった。

にも拘らず、この数年そんな素振りは殆ど見せず、
それは安心して暮らしているという喜ばしい事ではあるが、
いつも何処かで
私が牙を抜いてしまったのではないか?
という気がしていた。

何しろ人と違って動物の闘争は
殆どが生命をかけたものだ。
見方を変えると“生存欲”と取ってもいいだろう。

巨猫の狂暴性という牙を抜くというのは、
なんだか彼自身の生きる力を削いだような気がしていたんだ。

だから、鬼の形相で唸りをあげる巨猫を見て
理由はさておき、
「あ~やっぱりコイツもまだ生きたいんだな」
ってちょっと思ってしまった。

そうでなくともここ数か月、
経鼻カテーテルで食事をとり
日がな一日寝ている猫が
これだけの感情を見せると
「それだけ元気はあるのか」
と思いたくなるじゃないか。

そりゃ、こうなると適切な治療が受けられないし、
本人もストレスだろうから
手放しでは喜べないけれど。
ちょっとくらい思ったっていいじゃない。

結局、この夜は手帳的記号で言えば「東RM」と記録される
一室で深夜まで怒り続けていたのだが、
翌朝には勝手に「西RM」の自分ベッドに戻り寝ていた。
勿論、ご機嫌は直っている。

「お前、昨夜は何が嫌だったんだ?」
と聞いてみたが、
当然答えるわけはなく、
いつものように涼しい顔で鎮座しているのである。

蘇る猛獣(再)

「本当にあの日のあの怒り方はなんだったんだろう??」

と疑問に思いつつ2月5日。
その日も平和な一日だった。

強いて変わった事があるといえば、
オムツをペット用から人間の乳児用である「メリーズ」に変えた事。
そして夕方から2回ほど嘔吐したこと。

とはいえ、そこまで大きな変化でもない。
オムツに至っては、尻尾穴の調節をされている分だけ
ペット用よりも快適な気がしないでもない。

夕方から2時間半ほどダンナと夕食を取るために
猫部屋を空け、20時半には戻る。
するとベッドの角に頭を突っ込むようにしている巨猫。

まさか、具合でも悪いのか?
と思い、後ろから「おい、大丈夫か?」と背中をゆすると

「しゃぁぁぁぁぁぁぁ~~~!!」

まさかの「あの頃モード」復活!!

えっ、えぇぇぇぇ???
何?何なん??
驚いた?驚いたんか?

いやしかし、この程度の事いつもやっているじゃないか?
何故今日に限って怒る??

ひたすら????を飛ばしながら、なだめようとするが
そんなものすら受け付けない。
こうなってしまったら、ただひたすら頭を低くし
嵐が通り過ぎるのを待つのみである。

ただ・・・・・今回は場所が悪かった。

私は横幅180cmほどの長机を使っていて、
巨猫のベッドは真下にある。

つまりPC前に座る私と巨猫のベッドまで1mと離れていない。

更に言えば、寒くないようにホットカーペットを半分机下に入れ、
机とカーペットでL字ができるようにし、
日頃私はそこで寝袋にくるまって寝ている。
(巨猫の様子を見る&家で一番暖かいのがそこ)

巨猫が怒りまくっている間、
私は机も使えないし
ましてや前のカーペットの上で寝る事も出来ない。

まぁ仮に作業をして眠れたとしても
私が傍にいる間、ずっと巨猫は怒り続けなければならないだろうから
しばし姿を隠さねばならん。

しかし・・・うちには3部屋あるものの
1部屋は北の極寒部屋、
1部屋は猫のトイレ部屋。

う~ん、あ~~~と悩んだあげく
ダンナの部屋に一時避難する。

一度部屋に戻った私が寝る支度を整えて現れたのを見て
当然「どうしたの?」と聞いてきたので
かくかくしかじかと事情を説明すると

「君は家主だよね?」

という何のツッコミも出来ない正当な質問をされた。

仕方がない、仕方がないのだ。
猫は貴族で暴君だから仕方がないのだ!!

そして翌日。

部屋に戻った私は猛獣から猫に戻った巨猫を見て
相当頭の悪い事を言ってしまう。

「巨猫さん、なんであんた真っ裸なの?」

そう、涼しい顔でベッドに鎮座する巨猫から
経鼻カテーテル、エリザベ、
ちゃんちゃんこ、オムツの
全ての付属品がなくなっていたのである。

私が居なくなった後、
どうやってやったのかは知らないが、
器用に全てを外したっぽい。

という事は・・・
ここ数日の怒りは、
それらがウザかったストレスか?

いや、猫が我慢に我慢を重ねてキレるなんて
あるのだろうか?
猫の心理的にそれはありなんだろうか?

・・・・いや、そもそも嫌だったら
着せられたり付けられる時点で
抵抗を試みるだろう。

‟全身で喜びを表現するのが犬”
ならば、
‟全身で不機嫌さを表現するのが猫”
なのだ。

とりあえず経鼻カテーテルを入れに行かねば。
しかし、またあの状態(モード:怒髪天)になったら
カテーテルなど入れられない。

それでも一応電話をして病院に託す。

アレは一体なんだったのか?

午前に猫を預け、夕方迎えに行く。
恐る恐る先生に様子を聞くと

「いえ、今日はいつも通り大人しくしていましたよ。
カテーテル入れる時にくしゃみをしていたくらいです」

なんですと!?

獣医と二人で「アレは何??」と首をかしげる。

まぁこれが2回目なので、
先に書いた通り何か異常の兆候かもしれないため
今後要注意という事でこの日は帰宅した。

そして、実際1週間後にとんでもない事が起きたのだが、
それはまた次回。

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