虫の知らせ奇譚

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世の中にある不思議な話には
“虫の知らせ”
というカテゴリーがある。

これには様々なタイプがあるが
一般的によく言われるのはこんな話だ。

唐突に妙な胸騒ぎがして連絡したら、
該当者が事故にあっていた。

戸口に影が立ったので開けたが誰もおらず、
その直後に訃報が入った。

電話が鳴って取りに行くと鳴ってない。
その後本物の着信があって、
それが近しい人の死を知らせる連絡だった。

そのいずれもが
うっかりしたら見逃してしまいそうな、
ちょっとしたサイン。
日常に紛れ込むノイズ。
些細な違和感。

なんだか、そうゆう密やかな雰囲気があるのが、
虫の知らせだ。

が、これを覆した馬鹿がいる。
うちの親父だ

通夜での話題

確か今年は親父の7回忌なんだが、
話はその親父の通夜でのこと。

最近は、通夜も告別式も葬儀会館でする人が多いが、
田舎の主流は、まだまだ安定の自宅通夜&寺葬儀だ。

それに則り、我が家も大してデカイ家ではないが、
自宅で納棺式を済ませ、
そのまま通夜へとなだれ込んだ。

それは何の変哲もない
「田舎の葬儀あるある」な光景なのだが、
立ち替わり入れ替わりやってくる人々が
何かを話題にして妙に盛り上がっていた。

一人が語れば「うちも!」と頷き、
更にその人が語れば、
また誰かが「うちもや」と言う。

な~んか、皆がうちら家族と親父(の遺体)
をチラッチラ見つつ
・・・なんか言うとる。

気になるので、読める空気をぶん投げて話を聞くと
皆変な顔しつつ、口々に語り始めた。

その話の内容と言うのは、
親父が死んだ時刻に起こった怪異についてだ。

全然ひっそりしてない虫の知らせ

親父が死んだのは夕刻なんだが、
その時間自宅にいた人は皆
「虫の知らせ」
があったと言う。

うちの実家地域は、知人親類の訃報の際に
虫の知らせがあったという人が割と多い。
そう、地元では珍しい話ではない。

別にうちの地域の人間が皆霊感があるというわけではなく、
多分、田舎という閉鎖環境化のほうが
発生しやすいのだと思う。
(何だかんだで、皆うっすらと血縁者)

あと、田舎は基本変化と刺激が少ない
変化や刺激の多い都会に比べると
日常に紛れ込む違和感が目立つのだ。

地域差もあるのかもしれんが、
うちの地方でよく言われる虫の知らせは
関係者が他界した時刻に
勝手口や窓がガタガタと鳴る
ドアや窓がノックされる
というものだ。

その程度なので、気付く人は気付くし
気付かない、あるいは気付いても
実際の訃報が届くまで
「気のせいだろう」と思ってしまう。

が、この時は
弔問客の殆どが口を揃えてこんな感じの事を言っていた。

「地震かと思うほど、窓ががったんがったん鳴っていた!」
「勝手口のドアノブをガッチャガッチャ回された!」
「窓やドアをバンバンと盛大に叩かれた!」

これだけでも結構「はぁ?」なのだが、
その現象の感想として更に
“地震かと思った”
“泥棒かと思った”
と続いたのだから
私達家族も目が点である。

・・・・ちょっと待て、そんな虫の知らせ
聞いた事ねぇわ。

というか、それってもはや

‟THE・ポルターガイスト”

じゃねぇか。

私があっけに取られて聞いていると
「あんたの所は?あんた娘だし、さぞ凄い事があったんでしょ?」
と期待の眼差しを向けられる。

・・・残念ながら私の所には何もなかった。

何しろ、その時間帯、
私は絶賛配達中だったのだから。
(親が危篤でも配達するJP時代の話)

もし叩くとしたら
“カブの後ろの配達ボックス”だが、
それすらも大解放されていたし、
ひょっとしたら丁度その時間は
書留を届けに他所の家の玄関先に立っていたかもしれない。

虫の知らせじゃなく
俺自身がインターフォンを
ピンとポンだ!(爆)

そんなわけで
私自身には親父の臨終時刻に
そうゆう事はなかった。

むしろ、当日の朝に奇妙な事はあった。
ただ、やってきたのは親父の事を頼んでいた
実家裏の神さんのお使いさんであった。

これを‟虫の知らせ”と呼んでもいいが、
あれは虫は虫でも
ヘラクレスオオカブト級
だったため、
殆どの人にはこの話はしていない。

この事について、親父の親類の中には
「臨終に駆け付けないからだ」
とキャンキャン言う者もいたが、
仮に臨終に駆け付けようと飛行機乗っても、
うっかりしたら空の上だわ。

・・・飛行機の窓叩かれるのかよ?

叩かれる場所によっては、落ちるぞ、飛行機。
プロペラ機なんだから。

そうなったら虫の知らせやポルターガイストではなく
グレムリンだ。

謎の航空機事故として、
後世まで語り継がれてまうわ。

 

あぁ、あれだけ生前、
魂だの精神だのそんなものを否定しまくり、
絵も音楽も読書も
「そんな金にもならんものをやるな」と
顔を熟れたトマトのようにして怒鳴り散らす親父だったのに・・・。

最期の最期でこの騒ぎはなんだろう。

つーか、生前親父に再三言ったんだけどな、
お前は言う事とやる事を統一させろと。

いや、親父は結構派手好みの部分があったからな。
そうゆう意味では一致しているといえば、一致している。

後継者のプレッシャー

しかし、親父にこれだけの事されちまうと、
いざ自分が死ぬ時はどれくらい派手にやってやろうか、
中々悩ましい。

ちなみに、ハーレー教の弟には
「バイク事故で死んだら、是非ハーレーで!!」
と言われているんだが・・・・

何故所有していないハーレーで虫の知らせを
やらにゃあかんのだ。

バイクで化けて出るなら、
歴代の愛車のいずれかで行くわ!!

その時だけ、
違法改造して爆音で虫の知らせをやってやる!!

そんな訳で、リアルワールドでお付き合いのある
友人、お客様各位。

もし傍にバイクがないのに爆音がしたら・・・・
ひょっとしてそれは・・・・(笑)

 

<余談>

万が一にも、DQN車による違法運転が原因で死亡した場合、
交通法規を守らないドライバーおよびライダー、
歩行者、自転車に至るまで全てに祟りを成す祟り神になる予定なので、
その時には誰か祀って下さい!!(爆)

ご神徳は勿論交通安全。
そして、ちょっぴり絵心がつくかもしれません(笑)

お供え物は、クリームチーズと日本酒でしくよろ!!

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