猫盆 ~自宅守護役初代と二代目~

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うちは猫を飼い始めた当初から
‟自宅守護役”
もしくは
‟自宅警備隊長”
という黒猫を置いている。

置いているというか、
最初の一匹に冗談半分でそんな役職を与えたら、
何故かそんな風に育って、
オマケに自動的に二代目が着任していた。

今日の話は、そんな守護役たちの不思議な話。

動物だって盆は帰る・・・らしい

前に盆時期には、
「我が実家が先祖たちの宴会場になっている」
という話を書いたが、
やはり盆には死者の霊がこの世に帰ってくるらしい。

で、面白い事にそれは動物も同様だ。

「動物が人間の慣習を理解しているって
おかしいじゃない!!」

と食って掛かられた事があるのだが、
動物たちにしてみたら
恐らく‟お盆だから帰る”というよりも
‟通路が開いて行き来しやすいから帰る”
の要素が強いのだと思う。

しかも、飼主は大体まだ存命で
日本人であればほぼ100%
‟盆には死者が戻る”
と知っているわけで
それに便乗し、心の底から招くわけだ。

日頃、旅立った我が子を忘れようと努める人も
この時ばかりは
「帰ってこないかな?」
という事が許される。

故人・故獣に対する悲しみも思い出も
全て表に出すことが公然と許可され、
尚且つむしろその方が好ましいと思われる
それがである。

盆の時期の獣たち

で、我が家の故・獣たちであるが、
割と最初の1~2年はマメに帰ってくる。

とはいえ、バッチリ13日に現れて
キッチリ15日くらいに消えうせるという事はない。

大体、フライングでやってきて
ダラダラと居座る。
そして名残惜しさもなく
「じゃあな!」
という素っ気なさで出ていく。

この現象について私が認識しているだけであれば、
「あらあら、柴猫さんペットロスじゃなくって?」
という話になるが、
我が家には非常に分かりやすい事を
する奴が2匹いる。

柴子と二代目である。

まかりなりにも柴犬で、
忠義と神経質さをヒゲの先にぶら下げた柴子は
自分の‟大ボス”であるエリンギ王子が帰朝すると
絶対にベッドに乗らなくなる。

他の初代や長老の場合は乗っている事もあるが
真ん中ではなく端に申し訳なさそうな顔で
チンマリと乗る。

二代目は、長老と初代に対しては
ノーリアクションだ。
たまに初代に向かって腹を出している時もあるが
大体、アチラにスルーされる。

が、エリンギがやってくると大変だ。
1~2日は落ち着きなく右往左往し、
3日も過ぎると
「新参の猫が増えてストレスMaxの猫」
のように・・・壁を見つめ始める。

二代目のこのリアクションの差は、恐らく
生前に接触があったかどうか?
だと思う。

二代目はエリンギと入れ替わる形でやってきているので、
うちの現行メンバーの中で唯一生きていたエリンギと
面識がない。

つまり彼女にとっては
‟たまに知らないオッサン猫が家を闊歩し、
しかも自分以外のメンバーは、
誰もそれを気にしない”

という事になる。

人間でいうならば、
自分だけ面識のない親戚の人が
突然家にやってきて、
自分はどう接したらいいか分からないのに
他の家族は和気あいあいとしている
ような感じなのかもしれない。

ある年の二代目の奇行

で、そんなある年の盆。

やはり帰省せず名古屋で過ごす13日。
そして、明けて14日の朝。

枕元に二代目(当時6歳)がやってきた。

今まで二代目の事をアレコレ書いているが、
率直に彼女の性格を言ってしまえば
歴代の猫の中でもっとも‟猫らしい猫”である。

つまり、
‟気ままが毛皮を着て歩いているような猫”

何しろ猫ももう5匹目。
私が何かしなくても先住猫がなんだかんだで面倒を見て、
乳母犬(笑)がかいがいしく世話をしていたので、
ほぼフル放置で育ってしまった。

そんな二代目なので、
妙に強くてたまに不思議な事をする以外に特に芸はない。

いやそもそも猫なんて生きているだけで偉いものなので
芸がない事に問題はない。

ただ、初代は怪異祓いを除いても
妙に知恵の回る器用モノだったので、
あくまでそれに比較すると芸がないというだけの話。

そんな初代と比べれば二代目は
天真爛漫といえば天真爛漫。
阿保といえば阿保である。

その猫が気まぐれで布団にやってくることは別におかしな事ではない。
どうせ、私の横ででんぐり返って
そのまま寝るつもりなんだろうと思っていた。

が、この日は違った。

口に猫じゃらしを咥えている。

しかも、枕元にそれをポテっとおいて、
「遊ぶがよい(`・ω・´)ノ」
と言うかのように座ってこっちを見ている。

私はコイツを手のひらサイズの頃から飼っているが、
一度たりともこんな事をしたことはない。

大体、この猫じゃらしをどうやって
持ってきたのだろう?

猫じゃらし、および犬猫のオモチャは
いつも猫部屋の引き出しに入っている。

勿論、昨日今日入れたものではない。
かなり前からそこが所定の位置になっている。

が、おもちゃを取り出すために
二代目がその引き出しを開けた事は
今まで一度もない。

器用に引き出しを開け、
尚且つ中のおもちゃを引っ張り出すことが出来たのは
初代だけなのだ。

生前の初代は犬のような所があり
実は柴子より器用に「持ってこい」が出来た。
※柴子は口不器用なので絶対に途中で落としてしまう。

更に自分が遊んで欲しい時は、
私の所までおもちゃを持ってきて
ポテっと落として遊びを催促する
という事をしていたのも初代だけだ。

しかもオモチャのチョイスがまた・・・・

二代目が咥えてきたボンボリ型の猫じゃらしは
初代とエリンギ王子お気に入りの猫じゃらしだ。

私は普段もっと新しい鈴のついている猫じゃらしで
二代目と遊んでいるのに、
どうして今日に限って故・猫のお気に入りの
使い古されたオモチャを咥えてくるんだか。

まぁまぁ確かに盆ではあるが、
私は姿を見かけちゃいない。

見かけちゃいないが
猫じゃらしを咥えた二代目の姿は
初代にそっくりだった。

同じ黒猫と言えど、
まとう雰囲気は全く違う二匹なのに
この日とその後数日の二代目は
初代のような顔をして
何度も猫じゃらしを引き出しから出し、
咥えて運び、私と遊んだ。

そうして盆が過ぎると、
二代目はパタリと引き出しを開けなくなり
あれほど遊んでいた猫じゃらしには
見向きもせず、
いつもの鈴のついているもので遊び始めた。

この一件から2年ほど経過しているが、
こんな事をしたのは
この年の盆の時期だけである。

 

先に書いた通り、
二代目は気まぐれが毛皮を着ているような猫なので、
ただの偶然なのかもしれない。

だが、年数が経ち
あの行動が本当にあの時限定だったと
分かれば分かるほど思うのだ。

あの夏もやはり初代は我が家に来て
私と遊んでいたのだ。

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