猫のてんかん発作について

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今日もまた2月末に他界した巨猫の闘病記
こぼれ話である。

非常に些細な話だが、
困っている誰かの小さな支えにでもなれば幸いだ。

1週間の強制給餌生活

巨猫の猛獣化事件の後。

その日も特に何か特別な事もなく
日がな一日家で猫を眺めて過ごし、
夕方たった1~2時間買い物に出かけただけ。

しかし、帰宅すると何かがおかしい。

寝ている巨猫の所へそ~っと近寄って覗き込むと
・・・・カテーテル外れてるやん!!

ドーナツエリザベをつけたまま、
器用にカテーテルの先だけを抜いてあった。

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~(脱力)

まだ付けたばっかりだっていうのに。
どやって抜いたん??

そこで再度処置をしてもらおうと思ったのだが、
病院の診察が込み合い過ぎ&
私の予定が上手く合わなすぎで
1週間ほど間が空く事となった。

幸い、強制給餌用のシリンジはまだタップリある。
こう連続で外されると、ひょっとしたら
カテーテル嫌なのかもしれないしね。

ここの所、猛獣化以外は特に大きな変化はないから
カテーテル可否の見極めとしてはいいかもしれない。

というわけで、
一週間ほど強制給餌でチマチマと
飯を食わす事になった。

深夜の発作

強制給餌は最初の時に比べると、
まだマシであった。

時々嘔吐をする事もあるが、それも毎度ではない。
調子が良ければ自分から
「もっと何かくれ」
という顔をして‟とろリッチ”を出すと
1本は食べる。
爪も砥ぎ、日光浴をしつつ昼寝もする。

大して活動的ではないが、
そもそも推定年齢14歳は人で言ったら72歳。
痩せた!と言っても、あくまで当猫比で
一般的な‟猫・5kg”は十分重い。

多分、知らない人が見たら
病気には見えない。

が、勿論、血液検査の数値上においては
依然、重篤な貧血状態である。

そして「明日はやっと診察」という日の前の晩。
深夜に嘔吐する音というか声で目を覚ます。

片付けようと電気を付けると
どっこい、ただ嘔吐しただけでなく
けいれん発作を起こして倒れている巨猫の姿が

猫のてんかん発作とは?

ここで一般的に「てんかん発作」と言われるものを
簡単に説明したい。

まず、分類として以下のように分けられる。

  1. 「突発性てんかん」
    はっきりした原因が分からないタイプ。
    というか、動物の病気で原因が分からず突然発症するものは
    大体なんでも‟突発性”とつく。
    (突発性前庭疾患、突発性膀胱炎etc)
    そしてこちらはてんかん発作以外に疾患がないのが特徴。
  2. 「症候性てんかん」
    脳腫瘍や脳炎、外傷など後天的な脳へのダメージが原因で起きるタイプ。
  3. 「潜因性てんかん」
    症候性が疑われるものの原因が不明な場合。
  4. 「非てんかん」
    脳以外の異常(電解質異常、低血糖、低酸素etc)に起因して起こるタイプ。

※2,3,4をまとめて「症候性てんかん」として取り扱う場合もある。

更にてんかんの発作のタイプは
「全般発作」「部分発作(焦点性発作)」にわかれ、
もっとも多いのが「全般性強直間代性発作」

人の場合も似たような症状が出るが
全身が硬直したようにピンと伸びたり、
手足や口をガクガクさせる(けいれん)
非常に一般的な「てんかん発作」の様子だ。

部分発作については、
手足を意味もなくパタパタと動かす‟遊泳運動”もここにあたる。
(「間代性けいれん」ともいう)

発作が起きた時の対処法

発作が起きたら、まずは飼主自身がおちつく!
絶対にパニックを起こしてはいけない。

初めて見ると「うぉぉ!!」と思うのだが、
自分の頬を張ってでも落ち着こう。

次に以下のようにする。

  1. 顔の周りは絶対に触らない(噛まれる事もある)
  2. 周囲にある、ぶつかると危ないものをどける
  3. けいれん発作の時間を測る、動画に撮る
  4. 止まった後、犬・猫の状態をしっかり見る
  5. 群発発作、重責発作になれば、昼夜問わず病院へ

※群発発作:1日に発作が2回以上、何度も起こす場
重責発作:発作の時間が5分以上続く、または1回目の発作が終わった後、
意識が戻らない(呼びかけに反応しない)まま、2回目の発作が起きる
以上、埼玉動物医療センターHP「けいれん発作が起きた時の対処法」から抜粋

基本5以外は慌てて病院へ駆け込む事はないので、
発作が落ち着いたら普通に病院へGo。

巨猫緊急入院まで

巨猫の場合、
今までてんかん発作を起こしたことなどないし、
元々重度の貧血があったので
分類としては「非てんかん」だとあたりをつけた。

原因としてまず最初に考えたのは
嘔吐による体内の電解質バランスが崩れた事。
嘔吐は脱水の原因でもあるが、
それだけじゃなく電解質がおかしくなって健康に支障をきたすこともある。

次に低血糖発作。
老猫は、特に糖尿などがなくとも
体の何処かに炎症があると
低血糖発作を起こす場合もあるそうだ。

うちは実際にこれで
長老が低血糖発作を起こしたことがあるんだが、
巨猫の発作の様子はその時によく似ている。

※長老の場合、2~3日前に血液検査をして
「年相応に弱ってきているけれど差しあたって異常なし」
と言われた後だった。

そこで、まずは氷砂糖を限界まで溶かして
濃い砂糖水を作って与えてみる。

予想が当たったのか、これで少し発作頻度が落ちた。
更にポカリスエットを薄めて与える。

ここでひとまずそれで発作は納まった。

しかし依然呼吸は早いまま。
更に軽い遊泳運動もしている。

その数時間後、病院オープンと共に駆け込み
その日は一日病院で様子見とあいなったが、
結局、この日は院内で発作を起こすことがなかった。

発作の原因

この段階では、まだ原因不明であったし
結局、この後も発作の直接的原因が何かは不明である。

すぐに、しかも負担が少なく出来る検査は血液検査だが
別にこれで猛烈な異常が見つかったという事はない。
相変わらずの貧血具合である。

先生と2週間ほど前のあの猛獣事件もあったので
ひょっとしたら原因は脳か?
という話もしたんだが、

巨猫の負担を考えると今すぐ検査も難しい。

猫の発作は、低血糖発作も含めて
ハッキリわかる時と分からない時があるようだ。

いずれにしろ、この手の症状は
発作を起こせばその度に更に発作が起こりやすくなる。
発作止めの薬をもらってその日はそのまま帰宅。

帰宅後も翌日も特に問題はなかったため、
そのまま出社~帰宅。
そして帰宅すると・・・廊下に巨猫が倒れている。

留守中の事なので一体何時頃に倒れたのかは不明だが、
私が発見した時には遊泳運動が続いている状態だった。

巨猫緊急入院

微妙に手足を動かしている巨猫を助手席に乗せて
病院へ緊急搬送。

今にして思えば、この時妙に落ち着いていたのは
自分の中である程度覚悟が出来ていたんだと思う。

病院では処置の後、即酸素室へ。
酸素室へ入ってからもいまだに遊泳運動が続いている。

遊泳運動が続いている&ある程度発作の様子を見てからじゃないと
帰れないというわけで、そのまま入院。

先の通り、とにかく発作を起こさないようにしなければならないわけで、
そのためには病院のほうが体は楽だ。

だって、仮に家で私が24時間にらみを利かせていたって、
いざ発作が起きたら出来る事はないんだから。

ただし‟万が一の事もある”というのは
了承しなければならない。
そこは重々に分かっている。

発作の原因は詳しく検査しなけりゃ分からないのは
この時も同じだったが、
そもそも発端となった貧血だって同じ事だ。

検査をして原因が分かって治療できるのであれば
全身麻酔のリスクを冒して検査をするもありだろう。

が、検査して原因が分かっても治療できない確率が大きいのであれば、
私はどうしても検査をする気になれない。
だったらその分の体力で一日でも穏やかに生きて欲しい。

そう思っての決断だけれど、
何度だって本当にそれでよかったのか考える。

自分の納得のためと本人の幸せの狭間で
グルグルと悩み続けるのだ。

多分これは介護・看病をしている人は皆同じだ。
他人から色々と言われる中で
本当に何度も何度も考える。

皆わざわざ口に出したりしないけれど、
グルグル考え過ぎて
脳内がバター化するまで考えるのだ。

ひたすらグルグル考えながらも
今自分に出来る事をする。

それは毎日見舞いに行く事だ。

意外な・・・巨猫の入院生活

そんな訳で翌日から毎日仕事上がりに見舞いに行く。
動物病院にKawasakiで乗り付ける飼い主は
この国に一体何人いるのだろう?

入院時、当然容態も心配だが、
巨猫の場合は、それに加えて
‟超ストレス”
が心配である。

何しろ、前回の入院時は食べれる状態だったにも関わらず
殆ど飯を食わないような状態だったのだから、
今回は血尿くらい出すんじゃないか?
心配でたまらない。

が、非常に意外な事に・・・入院中の巨猫は
‟賢者モード”にはならなかった
のである。

初めて入った酸素室だが、
酸素を入れている間も特に怯える風でもなく
私の顔を見ると認識でき、
鳴いて甘える。

食欲は元々ないっちゃないが、
それでも出されたものを一口二口は食べ、
カテーテルからの食事も
あまり吐かずにちゃんと取れている。

更に差し入れで、
アイツの好きなとろリッチを
看護師さんに預けたんだが、
ケージの前に貼られた記録
(排泄食事等)を見ると、
どうやら手から食べたらしい。

大事な事なので2度言う。
直接手から食べた。

巨猫には常々
「病院の先生達怖くないだろう?
嫌な事もするけどさ、それは皆お前に長く生きて欲しいからだから。
生きて欲しいからなんだぞ。
だから、もう必要以上に怖がるのはやめような」
と言っていたんだが・・・・

病院を「嫌だけれど行けば体が楽になる所」と理解したように
病院スタッフの事も「怖い人ではない」と理解したのだろうか?

その日の体調もあるので、
たまにボンヤリしている事もあるが
特に大きなストレスを感じている様子もなく
日々を過ごしているようだった。

肝心の発作は、投与する発作止めを増やしたり、
輸液投与で十二分に水分や電解質を調節したお蔭か
入院中は一度も起きなかった。

ちょっきり1週間の入院後、
巨猫は我が家に戻ってきた。

一時はもう戻れないのではないかと覚悟したが、
彼は無事に終の棲家へと帰還を果たしたのである。

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