え?境内の中を電車が走る? 岐阜県 下原八幡神社

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2年ほど前に‟飛騨高山”へ続くR41号を走っていて気になるものを見かけた。
あ、いや、正確には違う所だったんだが、
その勘違いから寄る事にしたのが、
今回訪れた下呂の「下原八幡神社」である。

なんというか・・・珍百景的な意味で面白い神社であった(笑)

下原八幡神社

今月の25日、雨の中を高山へ向かって走っていた。

名古屋から続くR41号を進み、飛騨金山駅を過ぎ、
トンネルの手前で右折して、
山間の風景が雨でくすむ中、その彩度の低い景色に溶けるようにある青い橋を渡る。

更に民家が立ち並ぶ細い道をトロトロと抜けると、
少し先に踏み切り、その手前に木がうっそりと生える場所に辿り着く。

そこが、今回の目的地の「下原八幡神社」だ。

境内の中に高山本線

「お~あるある」
入口で思わず言ってしまう。

実はこの神社、鳥居から延びる参道に通常は神社にはないものがある。

アイキャッチ画像でも神社入口の写真は貼ってあるが、
更に分かりやすくズームしたものを貼ろう。

ここは境内の中に線路が通っている神社なんだ(笑)

前にテレビかなんかで、確かココではないこうゆうタイプの神社が紹介されていたんだが、
「いや待て!確かR41にもなんかこんな感じの神社あったぞ!」
と、調べてやってきたのがここである。
(東海地区は他にも三重のいなべ市などに同類の神社がある)

これは・・・凄い。
現物というか現地で見ると本当に「なんだこれ?」感がハンパない。

この線路は岐阜から高山、更に富山までを繋ぐ‟高山本線”の線路なんだが、
一体何がどうしてこうなったんだか。

トンネル工事を減らすための苦肉の策?

どうしてこうなったかを調べてみると、
これはトンネル工事削減の策によって生じた奇跡(笑)らしい。

高い山が連なる飛騨高山に線路を通すにあたり、トンネル工事というのは必須だ。
だが、普通に考えたらトンネルを掘るというのは手間も労力も費用も掛かる。
んで、そのトンネル工事を少しでも減らすために・・・
という大人の事情で、こんな感じになったそうだ。

まぁ線路が引かれたのは国鉄時代の事だから、
今ほど技術もなく、トンネル工事のために地方から人を集めるほどだったと言うから、
色んな意味での折衷案だったんだろうが、それにしても面白い事になったもんだ。

それにしても神社関係は何か弄ろうとすると怪が起こったりなんてするんだが、
ここが特にそのような話がないのなら意外とお神は鉄ちゃんなのかもしれない。

いや、うちのバイクの件もあるぐらいだから、結構ありうるな。
ここのお神は鉄道マニアなんだ、多分(爆)

鬼か英雄か?両面宿儺

線路はともかくとして、この神社自体は仁徳天皇の時代に創建されたそうで歴史は古いんだけどね。
この創建にまつわる話もちょっと面白くて、神社の前の案内板の文章は長いので、
簡単にまとめてあるWikipedia側のものを紹介するとこんな風。

当時、飛騨の地には大和朝廷に従わない、2つの顔と4本の手を持つ両面宿儺という怪物がいた。
これを討伐するため難波根子建振熊命が道中、当地に来て宿り大岩に仮の斎場を設け武神(八幡神)を祀ったのが起源とされる。

この話に出てくる「両面宿儺(りょうめんすくな)」というのが、中々面白い存在だ。
日本書紀やウィキの文章では異形の鬼人の扱いだけれど、
本来は鬼を退治したり、寺を作ったりして土地を納めていた豪族らしい。
つまり、地元民にとっては英雄なんだよね。

個人的に神社巡りの醍醐味は、スピリチュアルなご利益よりも、
こうゆう歴史の裏表を垣間見て様々な考察に浸る所にある。

神社仏閣って基本創建が古いから、たまにこうゆう話にも当たるんだよね。
葛城の土蜘蛛とか、まぁそうゆう‟まつろわぬ民”の話。

ずっと中央にいるとあまり感じないかもしれないが、
私のように元は時の天皇の支配圏外だった土地から来ると、
何というか、そうゆう新しいものと古いものの勢力争い的なものを何処となく感じる。

そうやって古いものが打ち負かされ、新しいものに取って代わられるんだけど、
この辺は日本人の気質なのか、なんだかんだで緩く古い信仰と合体して今に至るんだよな。

歴史ロマンだね。
The・歴史浪漫だよ。

っていうか、語り継がれる両面宿儺の姿って
・・・怪物というより、阿修羅明王とかそうゆう仏みたいだよな。
んで、またそうゆう仏や神の化身だった、という話もあるんだよ。

飛騨のような土地には絵巻に描かれるようなキラキラとした美しい神より、
異形で荒々しい神や仏のほうがよく似合う気がする。
そして私はそうゆう荒ぶる神が好きだね。

 

さてひとまず参拝させて頂いて、本当は電車が通ってくれればいいんだけど、
特に時刻表見てないしな。
高山本線は一体どの位電車が通っているのだろう?

ってか、線路は通っているし、信号はあるが
遮断機がない(爆)

スーパー自己責任系参道!!(笑)

神社参拝には一応お作法があるが、ここだけは
「とまれみよ」
が二礼二拍手一礼の前に必須となっている。

礼を尽くすと良い事がある

所で、ここは普段無人のようなので、今回はご朱印を頂いていない。
まぁ必ず貰わないといけないものでもないのでいいんだけど。

それと神社には必ずある手水舎の水が枯れていた。
これも無人神社あるある。

私はこうゆう時のために‟塗香”を持ち歩いているのだが、
今回も面倒臭がらずに塗香で清めて入っている。

※塗香(ずこう)とは、粉末のお香というか、匂いのする粉末である。
‟清め香”って呼び方もして、その名前の通りこれを手に取り手や頭口などに少し擦り付けるようにして
お清めをするものである。
大体、持ち歩く人は絶対に一度は鞄の中でぶちまけて、鞄を強制浄化される(笑)

私もダンナも口が悪いから普段はお神おちょくるような事言ってるけど、
まぁ、やる事はちゃんとやるのだよ。
こう言っちゃなんだけど。

んで、参拝の後に写真を撮らせて頂いて、
電車も来ないようなので先へ進む事にした。
この後も予定が詰まっているからね。

バイクに跨り、スタンドを外そうとした瞬間
‟カンカンカンカン”
と、信号の音が!

電車が・・・・・来る!!

慌ててバイク飛び降りて、再び鳥居の前まで走っていって撮影したのが、これ。

iPhone撮影なので、どうしてもブレる。

おぉぉぉ~!!いいタイミングだ。
実に絶妙なタイミングだ。

これ、面倒臭がって塗香使わずにそのまま行ってたら、
絶対に撮れなかったやつだよね?

・・・・やっぱり礼は尽くすもんだな。
尽くしてみるもんだな。

まぁこうゆう事もあるので、
やる事はきちんとやったほうがいい。

歴史的なものを色々と感じさせつつ、
珍百景を見たい方は是非一度どうぞ。

(高山本線で通過しながら見るのも有だよねぇ)

※Googleマップでルートを設定すると線路を超えていくルートを出してくるが、
そっちではなく、橋を渡ってすぐの川沿いを左折して進むのが正しい道。
高山本線と道が交差する手前の川側に駐車場有(未舗装。二輪は気をつけてね)

 

余談:細長い‟宿儺カボチャ”って知ってる?

高山の特産品には‟宿儺カボチャ”というものがある。
カボチャなんだが、一般的な丸い形ではなくヘチマのようにひょろりと長いカボチャで、
皮が薄く、実は甘味がありポクポクして美味い。

前々から思っていたんだけれど、この‟宿儺カボチャ”の宿儺はやはり‟両面宿儺”から
取って名付けられたんだそうだ。

確かに真ん中に種があり、輪切りにすると金太郎飴の如く同じドーナツ型で切れていく宿儺カボチャは、
二つの顔を持っていたという両面宿儺っぽいっちゃぽい。

命名されたのは平成に入ってからと言うけれど、
わざわざカボチャの名前に付けたという事は、やっぱり今でも地元民にとっては英雄なのだろう。
この辺の関係ある寺院を回れば、面白い話が残っているかもしれないなぁ。

とりあえず宿儺カボチャは美味いので、見かけたら是非買ってみて下さい。
見た目は変だが、調理方法は普通のカボチャと同じです(笑)

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