「結婚」を巡る静かなる攻防戦 ~琵琶湖湖畔で強制お見合い事件~

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「お見合い」

というと、
日本庭園とかある料亭でおめかしした若い男女が
仲人や両親に囲まれて向かい合って座っている図が頭に浮かぶ。

まず「ご趣味は?」から始まって周囲の嬉々とした視線に囲まれながら、
ある程度お互いの基本情報を交換する。

そして誰かが
「あとは若い方同士でww(・∀・)ニヤニヤ」
とかなんとか切り出して、突然二人きりにさせられるアレである。

最近はここまでベタなお見合いというのは稀なのかもしれない。
そして別に必ずしも結婚に前向きな男女がお見合いするわけではないと思う。

だが、例え渋々でも承諾を確認してから開始されるのがお見合い・・・
だと私は信じていた。

・・・しかし、世の中には騙し討ちのような「強制お見合い」を決行する馬鹿親もいる。

結婚願望がない女

私は大昔から結婚願望がない。

格好つけているとか、将来の事を考えていないとかでもなく、
勿論、同性愛者でもない。

昔からパーソナルスペースが広いというか、
‟一人になる時間がないと発狂する”
タイプなのを薄々分かっていたので、人生のかなり序盤に
結婚=家族の形成=他者と暮らす
という選択肢をぶん投げた。

子供の頃からすでにその兆候はあり、
‟将来の夢”に一度たりとも「お嫁さん」がエントリーした事がない。

しかし、それはあくまで私の希望であり、
周囲はそうではない。

「結婚願望がない」と口にする度、周囲からはそりゃもう猛烈な批判をされ、
最終的に「人として終わってる」とまで言われてきた(爆)

ただ、親戚連中は20を超えた辺りから騒ぎ始めたのに、
母は意外と結婚について口にする事が少なかった。
恐らく、トンデモ親父に相当苦労させられて
「結婚=無条件に幸せ」とは思えなかったのだろう。

が、振り回していたほうの親父はとにかくうるさかった。
結婚っていうよりも「孫」

我が一族の短命さ加減にチンコの先まで縮み上がっていた親父は、
どうしても死ぬまでに孫の顔をみたかったらしい。

当然の事ながら、私はそれに付き合うほど優しくはない。
なんで自分より先に死ぬ親のために人生設計を修正どころか白紙に戻さねばならんのだ。

だから、親には
「こんな顔面偏差値の女と付き合う男いるわけないだろ!
結婚して欲しいならその前に全身整形代を出せ」
と言い続けていた。

え?既に彼氏がいると言わなかったのか?って?
そんなもん言ったら「連れてこい」ってなるから言わないよ。

確かに当時は既にダンナと付き合っていたが、仮にダンナが同い年でも連れて行かんよ。
どうせどんな男連れて行っても難癖付けるんだから。

とはいえ、結婚を前提にしていなくても男がいるかいないかくらい、
いい年の大人なら何となく察するだろ?

母はなんとなく察していたみたいだったから、
当然親父も察してはいるのだろうと思っていた。

・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・

幻想だった!!(爆)

 

前置きが長くなったが、これは私の親父の常識さ加減への幻想と、
親父の何処までも暴走する“脳内妄想劇場”の果てに起こった
結婚を巡る一大スペクタクル(笑)である。

出会いは突然に

あれは私が31~32歳くらいの頃だったと思う。
親父はその頃、冬期期間雇用で名古屋の運送会社に勤めていた。
要は「出稼ぎ」というものである。

毎年冬場は名古屋、金沢辺りにやってきて、
冬中時々私の休日を台無しにして春になると帰ってゆく。

その年も春になり、いよいよ実家に帰る時期、
「実家に帰る前に琵琶湖に遊びに行きたい!!」
とのたまった。

まあ前から琵琶湖に行きたいって言ってたもんな~とOKした。
私も琵琶湖は行った事なかったしね。
(この頃はまだバイク乗ってない)

んでもって週末。
親父到着の20分くらい前に着信があり
「会社の人を一人道案内に連れて行く」
と言われた。
勿論、特に断る理由もないので承諾した。

で、親父到着。
一緒に来た会社の同僚というのは、こう言っちゃなんだが、
いかにも“休日のお父さん”風の人だった。

歳は40代前半か?
メタボリックな体型、こ汚いとは言わないが爽やかとは程遠い雰囲気
よれっとしたチェックのシャツはお洒落とは言えないが、
この年齢層なら妥当な普段着だろう。

のっぺりと四角い輪郭の中に申し訳程度に乗っている顔のパーツ。
凶悪ではなさそうだが、賢そうには見えない。

一言で何かに例えるなら若干前歯が出ているので‟カピバラ”である。
ポッテリとした体形と相まって、本当にカピバラだ。
ついでに言えば黒ぶち眼鏡だったから、眼鏡をかけたカピバラだ。

そんな様子から、
日曜の午前は家でごろごろしていて周りを子供が走り回っていて、
時々踏まれてグヘッとか言い、
挙句の果てに奥さんに「ちょっと、掃除するからどいてよ!!」って言われている姿が
容易に想像出来る典型的な草食パパである。

正直、当時60過ぎていたダンナのほうが
パリっとして覇気があるなぁって思った(;・∀・)

いやぁ、せっかくの日曜に親父の我儘に付き合わせて申し訳ねぇ。
そんな感じでヘコヘコと頭を下げ、
‟親父・私・カピバラ・犬(柴子)”
というメンバーで車に乗り込み出発した。

カピバラの正体

この日は何処へでも地図一つで行く親父が珍しく
「道が分からん」といい、運転は最初からカピバラだった。
そして・・・・その車中で私は衝撃の事実を知る事になる。

彼が・・・・なんとまだ30代で、私と2歳程度しか違わないという事実!!

嘘っっ!!だって、30代の覇気じゃないよ!!
どっちゃかっていうとダル~ンとだらしなく生活した結果の風体じゃない!!
成人病まっしぐらか、もう既に成人病に片足突っ込んでいるような体型じゃない!!

これの何処をどう切り取ったら30代前半になるのよ!!

色んな意味で慄く私を尻目に、車中で親父はカピバラをアゲアゲだ。

親父「カピバラくんは真面目でさ~」
へ~ふ~ん。まぁとりあえず良い人っちゃ良い人だろう。
わざわざ休みの日に運転手してくれてんだから。

親父「そして!実家は名古屋市内に持ち家だ!!」
あれ?なんか雲行きが怪しい。

親父「~って好条件なのに・・・独身なんだよ、彼!!

なんだろう、物凄く嫌な予感がする。
私の中の何かが「逃げて!!全力で逃げて!!」と叫んでいる(爆)
とはいえ、場所は車内。
オマケに向かっているのは行った事もない滋賀県。
何処に逃げるというのだ。

そして琵琶湖到着。
待望の琵琶湖だが、嫌な予感しかしねぇ・・・・・

お約束の「あとは若いもの二人で」発動

琵琶湖到着から5分と経たないうちに、
嫌な予感は的中した(つД`)ノ

私は、琵琶湖をバックに柴子の写真を撮るつもりでいたんだが、
柴子のリードを私からサクっと奪い取った親父。

親「お父さん柴子を遊ばせなくちゃいけないから、
お前たち二人であそこでも見てきなさいww」

と、指されたのは琵琶湖博物館。

琵琶湖博物館に1時間半ほど前に会ったばかりの
カピバラと二人で行く。

・・・・・・
・・・・・・

やられたっっ!!
これは強制お見合いだ!!

形は違えど、車内のあの‟カピバラアゲアゲ”は、
仲人がお見合いをする男女の
いい所をアゲアゲするアレじゃないか!!
(あのドラマとかで「〇〇くんはこう見えても~」と勝手に喋り始めるアレ)

そして、この‟琵琶湖博物館周り”は、
通常日本庭園に放たれる
「あとは若い者同士で」
の変形判というか、リーズナブル版じゃねぇか!!

あ、くそ!!油断した!!
実の親に騙された!!なんてこった!!

変人大盤振る舞い博物館

内心、かなりハラワタが煮えたぎる思いではあるが、
私も結構外面がいいというか、
‟カピバラも多分親父の勝手な画策に巻き込まれたんだろうな~”
と思い、そう思うと無下にも出来ない。

分かりやすくカピバラ、カピバラ言っているが、
私は別に面食いではない。
そして彼は悪い奴ではなさそうなのだ。
とりあえず人畜無害な感じで、友人くらいにならなれそうな奴なのだ。

・・・と思っていたが、無理だった。

少なくとも私は彼と会話をしていて、
親父の知り合い以上の関心が全然持てなかった。

端的に言ってしまえば退屈な人だった。

傍から見たらどうかは知らん。
あくまで私個人の感想だ。

一応、彼の名誉のために付け加えておくと、
別に極端に口下手でも、横柄でもない。
仮に隣人でたまに挨拶をする程度なら上の上。

ただ、別に良い人だったらそれだけでその人に物凄い好感や興味が持てるか?
って言ったら、そうでもないだろう。
オマケに共通の話題が殆どない。

私はその頃かなり過密に働いていたからテレビドラマも見ていないし、
時間があったらテレビより本を読む。
彼はテレビは見ても読書はしないらしい。

・・・・無理。
どうやっても好感度ポイントあがらない。
恋愛イベントどころか、お友達フラグも立たない!!

 

 

まぁ向こうが親父の思惑を知らずに来て、
全然その気がないならそれでいい。
が、多少なりともその気があった場合は問題だ。

確かに顔面偏差値だけでいけば、私は下の下だが、
トータル的に言うと、
‟そうゆうタイプ”が好きな人にはストライクだった。

‟そうゆうタイプ”とは、
黒髪ストレートロングヘアに
細身・小柄・童顔の撫子風女子(笑)

まぁつまり、黙って立ってりゃ大人しそうで、
おしとやかそうな女に見えるんだよ。

んでカピバラが本当にぼっちで、
そうゆうのがストライクだとマズいよなぁ・・・・
いるんだよなぁ、たまにこうゆうのが好きで、
中身もそうだと思ってしつこい人とか(;・∀・)

※とある会社の事務をしていた頃、やめたその日から
「愛人にならないか?」としつこく電話をしてきた部長がいる。

親父がカピバラに私の事をなんと言っているかは知らないが、
ここは一発分かりやすく普段二重にも三重にも被っている猫の皮を脱ぎますか。

そんな訳で・・・博物館内を回る間、私は変人を丸出しにした。
別に奇行に走る必要はない。
私の変人さ加減は行動よりも、思考の着地点がおかしい所にある。

私は頭に浮かぶ事をそのまま誤魔化さず、何処までも率直に口にすればいい。
それで大体の人間は引く。
特に男は引く。
私をインドアで大人しい従順な女だと思っている奴ほどドン引く。

引かずに「ウケる!!」と思って参戦出来る奴は同類だ。類友だ。
(ついでに言えば、このブログを嬉々として読んでるあんたも同類だ)

まぁ展示水槽の中にいるオオウナギを「可愛い」という所から始まり、
知っている事ならクドクド説明をして、
知らない事なら勝手な考察をクドクド語って、
所々に「うんこ!」って言ってたね(爆)
(一日数回うんこネタを口走らないと死んでしまう病)

まぁ下ネタを省いても、普通のOLさんにしては
妙にマニアックな事を知っていて、疑問に思う事を全て
‟ツッコミ”として排出する時点で世間一般の目線で見ると、
かなり頭おかしい分類に入るんだよ。

カピバラはそうゆう雑学は一切持ってない人らしくて、
根はいい人だから「へ~そうなんだ。へ~」
とひたすら聞いていた。
(んでまた、申し訳ないけど返しがないのが退屈なのだ)

とはいえ、何処までも表面だ。
きっと内心は「なんだ、この電波!!」と思っていた事だろう、
ふふふふ・・・・・

琵琶湖お見合いは戦いの序章

少し琵琶湖を回った後、我々は特に滋賀観光をすることもなく名古屋に戻った。
・・・本当に何故滋賀まで行ったのか分からなさすぎる。

その後、親父の家で夕飯を食べる事になったんだが・・・・
早速ビールを飲み始める親父Σ(・ω・ノ)ノ!

私「ちょ!!私明日仕事だから帰らないといけないんですけど!!」
親父「帰りはカピバラくんに送ってもらえばいいよ」

( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

この時はそばに転がっている缶ビールを
未開封で親父の口にねじ込もうと真剣に考えたね。

何で、初対面の男に送ってもらわなあかんのや?

別に電車でも帰れんことはないものの、
その日は夕方から土砂降り、当然傘なし。
オマケに犬付き。

柴子は電車にも飛行機にも大人しく乗りはするが、
流石に柴子が入るサイズのキャリーケースを担いで
地下鉄の階段を昇り降りするのは大分骨が折れる。

・・・・・しかたねぇなぁ(;´Д`)

 

親父が一人でゴキゲンになった頃、
カピバラに送ってもらう事になった。

まぁ流石に日頃ドライバーをしているだけあって、
一度来ただけで道を覚えてんのは凄いなぁと思ったけどね。
運転だって上手いぜ。
そこは素直に評価するよ。

たださ、車内では今度は何故かカピバラが親父をアゲアゲ。

・・・どうゆうつもりか知らんけど、そりゃ外ではいいでしょうよ、外では。
親父はそうゆう奴だ。

とにかく、どうせ親父はあと2~3週間で実家に帰るし、
カピバラとも二度と会うこともあるまいて。
また次のシーズン、親父が同じ会社に雇用されるとも限らないしな。

そんな風にアパートの前で普通にカピバラとはさよならをし、
当然メルアドも携帯の番号も一切教えてない。

これにて強制お見合い騒動は終了かと思われた。

 

が、私はまだ気付いていなかった。

本当の戦いはこれからだという事に(笑)

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