蒼い仏のいる金峯山寺 蔵王堂

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吉野山の金峯山寺蔵王堂は私にとって特別というか、
ある意味特殊な場所である。

この薄氷の如し信仰心しか持ち合わせない私が、
寺アウェーな私が、
何だかんだ理由をつけてリピートし続ける
不思議な不思議な寺である。

門前に立つだけで心躍る蔵王堂

先月も蔵王堂には寄ったというか、
吉野山のメインなんか蔵王堂以外ないのだけれど、
それでも何でやってきたのかというと、
春に続き秋も蔵王権現の特別拝観がされているからだ。

別に私は前に立って拝めれば姿が見えなくてもいいのだが、
いつかこの権現さんの絵を100号くらいで描いてみたくて、
そう思った時から最低でも年1は直接姿を拝ませてもらう事したんだ。

・・・が、今年の春はバイクの調子が悪くて行けなかったのだ( ノД`)シクシク…

今年はもう無理だと思っていたのに、まさか秋にそのチャンスがあるとは・・・。

描く度にあの口からニョッキリ生えた牙に
「バビルサか!!」
とツッコミを入れていても、ちゃんと年一見れるとは・・・。

これはもう「描け!!」と言われているとしか思えん。
(人生で時として思い込みは大事)

まぁ冗談はさておき、この日の蔵王堂もやはりすっかり秋衣。

いいっすな。

本堂まで走っていきたい気持ちを抑え、境内へ。

前回も八千枚大護摩供の前日で色々と準備がされていた金峯山寺だが、
今回も入ってすぐの所で何やら作業が進んでいる。

おぉ、護摩壇作ってる!!

ダンナに写真を見せて聞いた所、こうゆうものは
‟採燈護摩供(さいとうごまく)”という野外用の
大きな護摩壇なのだそうだ。
※宗派により柴燈護摩という書き方もするらしい。
聞くの忘れたけど天台宗とかはの字のほうらしい。
ダンナは天台宗のほうだからこっちなのかな?

護摩壇は行事の前日というより、もっと前に作られると言うから
11月27日の愛染堂大祭用のものなのだろうか?
(愛染堂の前といえば前に作られていたし。
愛染堂は名前の通り愛染明王のお堂)

護摩も見たいんだよなぁ。
来年はちょっと頑張って見ようなぁ。

護摩壇を横目で見つつ受付へ。
拝観料の千円を払い、中へ。

あ、ちなみにこの特別拝観の時は靴を脱いで中へ入るのだが、
その際に靴を入れるエコバッグと木札のお守りがもれなく頂ける。


※使った後は合羽入れにしたり色々活用しております。
結構丈夫。

靴を抱えて薄暗い中に入ると、そこはもはや異空間である。

中央に座す3体の蔵王権現を囲むように、コの字に回廊を進むのだが、
そこにも数々の仏像が安置されていて、それも見所である。

役行者像から、月光菩薩、身代わり不動まで。
中でも一番はやはりこれだろう。


※中は撮影禁止なので後で紹介する冊子のほうから。

旧安禅寺本尊の蔵王権現立像だ。
高さは4.6m、鎌倉時代の作とされている。
西洋の彫刻とは趣は違えど、この今にも動きそうな躍動感あふれる
堂々とした姿が惚れ惚れする。

本当にね、東洋人の美意識舐めたらあかんですよ。
回廊で他に人もいるからやらないけれど、居ていいって言われたら
多分回廊だけで半日いれるもの。

ここまで長々と居てもいいと思う寺は他にないんだよなぁ。
(京都の建仁寺は違う意味で一日見てられるが)

名残惜しいが時間もあるので、回廊から権現さんの前へ。
前に行って拝む前にも真横から並ぶ権現さんを矯めつ眇めつし、
中の小部屋のように仕立てられた所へ入る。

世にも不思議な仏・蔵王権現

タイミングよく、ほぼ中尊の前くらいに通してもらって、
手を合わせる。

初めて来た時も不思議だったんだが、ここへ来ると
「伺いました!」というより
「ただいま戻りました」という気分になる。
落ち着くのだ、非常に非常に落ち着くのだ。

こんな事を書くと前世マニア的な人は絶対
「前世はそこの坊主だったんだ」
と言いそうだが、ちょっと否定できない勢いで
‟ただいま”感満載なのだ(;・∀・)

(どうしよう、私方々で散々「前世は巫女」って言われてるんだが、
本当にそうならその人達全部外れてるって事になるんだけれどw笑)

んま、私がこうして神社仏閣巡りをする羽目になったのは、
どうやらご先祖さんのぶん投げた白羽の矢に当たったかららしいんだが、
多分、その人が一番来たかったのはここなのだろう。

それはさておき、とりあえず腰痛治してもらったので
そのお礼は外せない。
そして引き続き、友人の怪我が早く治るようにお願いする。

そりゃ、他にも頼みたい事は一杯あるさ。
あるけれどさ、大概の事は体さえ元気なら自分で何とでもなるから。
そしてそれは自分で何とかしなけりゃいかんものだからな。

神仏の力というのは私利私欲に使うものじゃないと思うし、
自分の事でお願いするのは病気だったりさ、
自分以外の誰かの幸せであったりさ、
そうゆう自分の努力ではどうにもならない部分だけだと思うんだ。

でも不思議と・・・・そうして人の事ばかり願っていると、
自分にもおこぼれがくるのだよ。

こうして秋の特別拝観を知れたのも、元々友達の事をお願いしようと
先月吉野に来たからだからね。
(HPで告知はされているけれど、いつもチェックしているわけじゃないし)

や、本当、そうだと思うよ。
ここには書けないけれど、前回来た時「あとは自分でなんとかします!!」って
言った翌日、ちょっと事件があって・・・
結果的に事態が好転するという凄い事があってな・・・・。
(たった2週間の間にジェットコースター的な事があったのだ)

ん~、なんか客寄せなのか現世利益をアピールした霊能者っぽい人達は
「事細かに願いを言わないと神様叶えてくれない」
的な事を言うんだけれど、
私としては、そんなの全部お見通し・・・・だと思っているんだ。

自分の知らない本音まで全部お見通しなのが神仏だ。

だから、本当は腰の事も友達の事もお願いなんかしなくてもいいんだが、
言っておけばまた今度お礼に伺う用事が出来るっていうのもあるし、
まぁ先の話の通り自分の努力云々の話じゃないからな、
こればっかりは。

此処に限った話じゃないが、私は神社仏閣に行って
頭を下げさせて頂く度に、いつもそう思うのさ。

朝日ビジュアルシリーズ「金峯山寺」

さて、参拝を終えた後、向かうのは売店。
(寺務所っていうより中にあるし売店としか言いようがない)

今回、コレが欲しくて行ってみた。

朝日新聞出版から出ている日本の名寺をゆくのシリーズ、
2016年2月7日号の「金峯山寺」である。

Amazonなどでも手に入るが、送料掛かるし、ヤフオクなどだと
倍の値段がついている。
気付いてほしいと思った時、ここにある事を思い出して、
行ったら買おうと思っていた。
(前回はすっかりそれを忘れていた。忘れるくらい腰が痛かった)

全40ページと薄いながらも、大判でフルカラー。
吉野山の春夏秋冬だけでなく、奥駆行の写真なども載っていて
中々見ごたえのある一冊だ。

ちなみに巻末の特別付録として権現さんの写仏用紙もあるんだが、
手が左右逆なのはご愛敬。

他にも中に鏡の入っているお守りとかもあるんだけど、
入口で木札頂いてしまったし、
この帰りに地蔵尊のお守りをツーメンバーから頂く事に。
(地蔵尊も関係あるっちゃ関係あるんだよね、権現さんと)

そういえば、護摩壇を作っている人が来ていた梵字Tシャツも
ここで販売されている。
支給されたのか、実費購入なのか気になる所だ(笑)

蔵王堂ご朱印

蔵王堂のご朱印は最初に訪れた時に頂いているので、
過去に頂いたものを紹介したい。

あの堂々とした建物をイメージさせるご朱印だが、
書いてくれたおじさん、花粉症だったのか風邪だったのか、
「鼻テッシュ」で書いててな(;・∀・)

その姿とご朱印の迫力のギャップが今でも忘れられない
思い出の一枚だ。
(しかもかなり派手にティッシュ突っ込んでいてな、
その躊躇いのなさにツッコミも出来んかったわ)

金峯山寺周辺の神社仏閣

金峯山寺以外にも当然この界隈は関連の寺院や神社というのがある。
今回行かなかった場所もあるが、それも含めて少し紹介する。

後醍醐天皇導稲荷という稲荷

冒頭やサムネの蔵王堂正面の写真の右隅に朱塗りの鳥居が写っているのに
お気づきだろうか?

そう、あまり参拝している人は見ないのだが、入口に一つ稲荷社があり、
名前は「後醍醐天皇導稲荷」という。

なんでも、後醍醐天皇が京都の花山院を脱出して吉野へ向かう途中道に迷ってしまい、
その際ある稲荷社の前で

むば玉の暗き闇路に迷うなり、
我にさかなむ三つのともし火

と歌を詠むと、赤い雲が現れて吉野への道を指示したそうな。

ここはその時の稲荷を勧請したものなのだそうで、
心に迷いがある時に祈ると道が開けるという言い伝えがあるそうだ。

(でもここ、金峯山寺の案内で紹介されていないから金峯山寺とは関係ないのかな?
私はなんかつい寄っちゃうけれどなぁ・・・まぁ目立つし)

如意輪寺

蔵王堂から少し谷を下ったところに「如意輪寺(にょいりんじ)」という寺がある。

非常に美しい庭園を所有する寺なのだが、
それ以上に私が見入ったのは、もちろんこれ。

ここにも権現さんの像があって、サイズは小さいが本当に見事なものだ。

それとこれ。

「吉野曼荼羅図」というもので、室町時代の作なんだそうだ。
いや、これを目にした時面白過ぎて中々前から離れられなかったよ。
まさか買った本に写真が載っているとはね。

桜の季節はこれらを含む数々の美しいものを有した宝物殿を解放しているので、
少し歩くが是非立ち寄って欲しい所だ。
(春限定の花見座敷もあるし、坊主カフェみたいなものも境内にある)

あと、多分ここの住職、猫好きだ。
寺務所にも何気に猫の写真が飾られているし、
公式HPのフォトギャラリーに何気に猫がいる。
しかも妙にコロコロしている・・・あれは絶対に皆で猫可愛がりしているに違いない(笑)

如意輪寺HP:http://www.nyoirinji.com/index.html
※後醍醐天皇陵もこのすぐ傍にあります。

これは桜の時期に撮影した蔵王堂である。
場所としては吉水神社へ向かう道すがらだったはずだが、
こうして離れて見てもまた美しい。

この桃源郷の如き風景の山が、
あのように凄まじい表情の仏の生まれた所というのは、
何処か噛み合わない気がしないでもない。

ただな、私には何故かあの姿がとても優しく見えるのだ。
あからさまに優しい姿の仏より、
何故だか優しく見えるのだよ。

写真で見ると所々煤けたり、色が剥げている蒼い姿が、
何故か夜明け前の空のように淡く光って見えるのさ。
本当、何でそんな風に見えるのか不思議だけれどね。

 

次の公開は来年の春。
それまで権現さんに叱られんようにしっかりやらんとな!!

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